ウクライナ避難民に係る緊急人道支援・保健医療分野協力ニーズ調査団(第二次調査団)のモルドバへの派遣について

2022年4月5日

国際協力機構(JICA)は、ウクライナ避難民及び周辺国支援のため、緊急人道支援・保健医療分野協力ニーズ調査団(第二次調査団)をウクライナの隣国モルドバに派遣することを決定しました。医療関係者及びJICA職員など6名で構成する調査団が4月5日に日本を出発し、モルドバに入国後現地滞在中の第一次調査団に合流します。

3月19日から派遣中の第一次調査団は、JICAがモルドバ保健医療分野への長年の協力を通じて培ったネットワークを活用し、調査を行ってきました。モルドバ保健省などの関係機関との連携により、避難民を受け入れているシェルターや現地医療機関などの視察や意見交換を通じて、今後の保健医療・緊急人道支援分野などの協力についてのニーズを確認してきました。また、調査団はWHOが実施するEMTCC(Emergency Medical Team Coordination Cell:緊急医療チーム調整所)に参加し、各国の医療チームが診察した患者データの分析や、各国からの支援の適切な配分の調整など、これまでの災害緊急援助で日本が蓄積してきたノウハウを活用した支援調整を行っています。第二次調査団ではこれら活動を引継ぎ、保健医療分野などにおける支援ニーズの具体化や、避難民のニーズに応える各国支援の調整を行います。
 
モルドバにはこれまで約38.8万名がウクライナから入国し、多くがルーマニアなどのモルドバ国外に移動しましたが、そのうち9.6万名が引き続きモルドバに滞在しています。人口約264万人、一人当たりGDPが4,523ドル(IMF調べ、2020年)のモルドバにとって、医療サービスのひっ迫が懸念されます。JICAは、避難民を受け入れているモルドバを含むウクライナ周辺国に対し、周辺国政府や国際機関などのパートナーとともに、引き続き最大限の協力を行っていきます。