ウクライナ向け円借款貸付契約の調印:ウクライナ政府の財政運営の改善を支援

【SDGsロゴ】すべての人に健康と福祉を

【SDGsロゴ】働きがいも経済成長も

【SDGsロゴ】1平和と公正をすべての人に

2022年6月17日

山田副理事長

マルチェンコ大臣

6月17日、国際協力機構(JICA)の山田順一副理事長とウクライナのセルギイ・マルチェンコ財務大臣は、「緊急経済復興開発政策借款」に650億円を追加する円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。本事業に対する円借款総額は780億円となります。

本事業は、軍事侵攻の影響により経済危機に直面するウクライナに対し、世界銀行との協調融資による財政支援を行い、同国が進める非独占化・腐敗防止に向けた制度整備、土地・金融市場の強化、社会保障制度の強化といった経済政策改革の実施を支援するものです。各種制度改革を図ることで、ウクライナの社会経済の安定及び開発努力の促進に寄与することを目的とし、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3(すべての人に健康と福祉を)、8(働きがいも経済成長も)、16(平和と公正をすべての人に)に貢献します。

5月16日に、軍事侵攻後初のJICAのウクライナ政府への支援として、130億円を限度とする円借款貸付契約が締結されています。今回の追加借款契約は、6月7日に鈴木外務副大臣とコルスンスキー駐日ウクライナ大使により追加資金供与に関する政府間の合意文書が取り交わされたことを受け、円借款の実施機関であるJICAとウクライナ財務省が具体的な貸付条件等を合意するものです。

山田副理事長コメント
「本追加借款は、当初の財政支援と同様に、医療・教育・社会保障・公務員の給与等、国家運営に必要不可欠な支出のために活用される予定です。本借款が、侵略の長期化により深刻な財政難に苦しむウクライナの財政運営改善に資することを期待しています。」

マルチェンコ財務大臣コメント
「ウクライナは先月、JICAから130億円の緊急経済復興開発政策借款を受け取り、国民の生活に必要不可欠な公共サービスを提供するために活用しています。今般、この財政支援が780億円に増額されたことに深く感謝しています。このような支援は、ロシアによるいわれのない侵略を受けているウクライナとウクライナの人々にとって非常にありがたいものです。」

1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
緊急経済復興開発政策借款(Emergency Economic Recovery Development Policy Loan) 65,000* 1.0 N/A 30 10 一般アンタイド

*2022年5月16日に130億円を限度とする円借款貸付契約に調印済。

2.事業実施機関
ウクライナ財務省(Ministry of Finance of Ukraine)
11 Mezhyhirska Street, Kyiv, 04071, Ukraine

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期: 2022年6月(貸付実行をもって事業完成)
(2) コンサルティング・サービス(詳細設計等)に係る招請状送付予定時期:     
本事業では、コンサルタントの雇用は予定されておりません。
(3) 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
本事業は財政支援のため、調達は予定されておりません。

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