第66回、第67回国際協力機構債券(国内財投機関債)「ピースビルディングボンド」の発行条件を決定

【SDGsロゴ】1平和と公正をすべての人に

2022年7月15日

独立行政法人国際協力機構(JICA)(理事長:田中明彦)は、本日、第66回、第67回国際協力機構債券(国内財投機関債)「ピースビルディングボンド」の発行条件を以下のとおり決定しました。

第66回国際協力機構債券

発行額:110億円
期間:10年(2032年7月22日償還)
発行日:2022年7月22日
利率:0.374%
発行価格:額面100円につき100円
応募者利回り:0.374%
担保:一般担保
上場:TOKYO PRO-BOND Market
共同主幹事:大和証券株式会社(事務主幹事)、東海東京証券株式会社、野村證券株式会社、みずほ証券株式会社(※事務主幹事以外は50音順)
取得格付:株式会社格付投資情報センター:AA+、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社:A+


第67回国際協力機構債券

発行額:130億円
期間:20年(2042年7月22日償還)
発行日:2022年7月22日
利率:0.910%
発行価格:額面100円につき100円
応募者利回り:0.910%
担保:一般担保
上場:TOKYO PRO-BOND Market
共同主幹事:大和証券株式会社(事務主幹事)、岡三証券株式会社、野村證券株式会社、みずほ証券株式会社(※事務主幹事以外は50音順)
取得格付:株式会社格付投資情報センター:AA+、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社:A+


シリア、アフガニスタン、エチオピア、ロシアによるウクライナ侵攻など、武力紛争は、人々の平和で安全な生活を脅かし、持続的な発展に向けた努力を著しく後退させるものです。世界の武力紛争の数は2015年頃から再び増加し、2020年に過去最高の件数に、2022年には世界の難民・避難民の数が史上初めて1億人を超えました。紛争の大半は開発途上地域で発生し、紛争により発生した難民等の受け入れについても9割近くを開発途上国が担っています。受入国や地域にも重い負担がかかり、人種や宗教による差別や排外主義の傾向が強まっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、政府の対応や経済停滞への不満、社会的な対立の激化が起き、紛争・暴動は悪化の傾向にあります。

当機構は、組織のミッションである「人間の安全保障と質の高い成長の実現」の達成に向けて、アジアやアフリカ、中東、欧州等で暴力的な紛争を発生・再発させない強靭な国・社会づくりに取り組んでおり、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール16「平和と公正をすべての人に」に貢献しています。具体的には、住民から信頼される国家をつくるための政府の能力強化、包括的な行政サービスの提供、インフラ整備に加えて、住民・コミュニティの社会統合・エンパワーメント等を支援し、対話と信頼に基づく平和な社会の実現を目指しています。難民や避難民の支援としては、難民・避難民を受け入れる国の能力強化や難民・避難民の能力強化支援を通じて、地元住民との平和的な共存に向けた支援に取り組んでいます。
今般の世界的な平和の危機を踏まえ、平和な社会の実現に向けた当機構の取り組みを強化するため、本債券は当機構として初めてのピースビルディングボンドとして発行いたします。

本債券は、ソーシャルボンド(注1)の特性に従った債券です。当機構が発行するソーシャルボンドは第三者機関よりセカンド・オピニオンを取得しています(注2)。本債券による調達予定の資金は、紛争・内戦により影響を受けた(受けている)様々な国・地域等に対する平和と安定や復興に資する有償資金協力事業に充当する予定です(但し、石炭火力発電事業への出融資を除きます)。
また、当機構が発行するソーシャルボンドは、我が国の「SDGs実施指針改定版」においてSDGs達成に必要な資金を確保するためのファイナンスとして位置付けられています(注3)。

なお、本債券は、TOKYO PRO-BOND Marketに上場する予定ですが、金融商品取引法第二章の適用外となる財投機関債であり、特定投資家向け私募に該当しないため、一般投資家を含む全ての投資家への販売が可能です。譲渡制限も無く、流通市場での売買においても同様の取扱いとなります。

(注1)「ソーシャルボンド」は、社会的課題の解決に資する事業を資金使途とする債券で、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)がその定義(社会的課題の解決に資する事業を対象とし、「資金使途」「事業評価・選定プロセス」「資金管理」「レポーティング」についての情報開示を要件とする)をソーシャルボンド原則(The Social Bond Principles)として公表している。

(注2)セカンド・オピニオン発行者:株式会社日本総合研究所

(注3)内閣に設置された持続可能な開発目標(SDGs)推進本部(本部長:内閣総理大臣)が決定した「SDGs実施指針改定版(2019年12月20日、一部改訂)」においては「環境・社会・ガバナンスの要素を考慮するESG 金融やインパクトファイナンス、ソーシャルファイナンス、SDGsファイナンス等と呼ばれる経済的リターンのみならず社会貢献債としてのJICA債の発行など社会的リターンを考慮するファイナンスの拡大の加速化が、SDGs達成に向けた民間資金動員の上で重要である。」とされており、日本政府は、このための環境づくりに向けた施策を進めるとともに、民間企業の取組を後押しすることとなっている。

(担当)
財務部 財務第一課
(TEL: 03-5226-9279)