モルディブ「観光セクター支援事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):モルディブ経済を支える観光セクターの金融アクセス向上に寄与

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【SDGsロゴ】1パートナーシップで目標を達成しよう

2023年3月28日

モルディブ観光地の様子

国際協力機構(JICA)は、3月27日、モルディブ共和国のモルディブ銀行(Bank of Maldives Plc)との間で、モルディブの観光関連事業者向け貸付資金として、海外投融資による1,300万米ドルの融資契約に調印しました。本案件はモルディブに対するJICA初の海外投融資案件であり、アジア開発銀行(ADB)とオーストリア開発銀行(OeEB)との協調融資により実施されます。

「インド洋の真珠の首飾り」として知られるモルディブは、島嶼国ならではの豊かな自然観光資源に恵まれています。モルディブは観光業を基幹産業として発展し、観光客向けの宿泊業や飲食業等を含めた観光関連産業は同国GDPの75%程度を占めるとされ、雇用の観点からも経済社会において重要な役割を担っています。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年の海外観光客受入数は前年比で約70%減少し、地場の観光関連事業者が打撃を受けました。2021年以降は観光客が戻りつつあるものの、今後経済活動を再開するため、観光関連事業者への金融サービスの拡大が課題となっています。

本融資は、モルディブ最大の金融機関であるモルディブ銀行を通じて観光関連事業者向けの貸付拡大を支援することにより、事業者の金融アクセスを改善するものです。観光関連事業者の中でも特に金融アクセスに課題があるとされる中小企業及び女性事業者に重点を置き、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)、ゴール8(働きがいも経済成長も)、ゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)等に貢献します。さらに、本案件では女性の金融アクセス向上に向けたアクションプランも作成されており、G7の開発金融機関が取り組む女性の経済的エンパワーメントのためのイニシアティブである「2Xチャレンジ: 女性のためのファイナンス」(*1)にも貢献します。

日本とモルディブは2022年に外交関係樹立55周年を迎えました。JICAはこれまで築いてきたモルディブとの信頼関係を礎に、本案件を通じて両国のさらなる関係強化に取り組み、これからもモルディブ経済社会発展に向けて協力を展開します。

(*1)2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス
2018年6月のG7にてJICAを含む各国の開発金融機関が採択したイニシアティブ。女性の経済的エンパワーメントに資する案件に対して2020年までに30億米ドルの資金動員を図ることを掲げました。2021年には同取り組みをさらに拡大すべく、2021年から22年の2年間で150億米ドルの資金動員を図る目標を設定しました。2Xは女性への投資の量及び効果を倍増させるという目標を示しています。