国際協力機構(JICA)は、2X Challenge(2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス)イニシアティブの拡大プラットフォーム2X Collaborativeへ加盟しました。

2022年3月24日

2X Challenge(2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス)は、G7各国の開発金融機関により、自らの資金提供を呼び水にジェンダー平等に資する民間投資を促進するため、2018年6月に設立されました。女性への投資の量及び効果を倍増させるという目標を掲げ、女性の起業家やビジネス・リーダーの育成、労働市場への参入促進といった女性の経済的なエンパワメントを後押しすることが目的です。このイニシアティブ立ち上げ時には2020年までに30億米ドルの資金動員を目標にかかげ、その倍以上である70億ドルが動員されました。2021年~2022年は、150億米ドルの資金動員を目標としています。JICAにおける 2X Challenge対象スキームは、海外投融資であり、2022年2月末現在までに16案件、約1230億円の2X Challenge案件に該当する海外投融資案件を承諾しました((注)承諾金額は2X Challenge案件として計上している金額と異なります)。

そして、2022年1月、2Xチャレンジは、より多くの関係者と連携しジェンダー平等に資する投資を促進するため、拡大プラットフォームである2X Collaborativeを新たに設立し、JICAは加盟することを決定いたしました。

北岡理事長は、本プラットフォームへの参加にあたり以下のように述べました。

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和訳:JICAは、女性が開発において重要な役割を担っていることを認識し、JICAの事業におけるジェンダー平等と女性のエンパワメントを促進してまいりました。JICAは2X Collaborativeのメンバーとして同じ志をもつ機関との連携を強化し、性別にとらわれず、個人が尊厳を持って自分の能力を発揮できる世界の実現を目指していきます。

2X Collaborativeの機能は主に3つ挙げられます。

ジェンダー平等や多様性の視点を包括した投資・事業経営については近年様々な研究が発表されています。例えば、女性の労働市場への参加を促進することで、世界の年間のGDPを26パーセント押し上げるとされており(注1)、幹部に女性が30%以上代表されている企業のほうが、10%~30%でとどまっている企業よりもよりよい事業成果をだすことも分かってきました(注2)。

JICAは、ジェンダーレンズ投資に係る知見や経験をより多くの方へ提供し、またジェンダー平等に資する投資を促進することにコミットすべく2X Collaborativeへの加盟を決定いたしました。2X Collaborativeの文字通り、他の機関と「連携」しながら今後も女性のためのファイナンスを通じて女性のエンパワメントに貢献してまいります。

参加機関:JICA・JBIC(日本)、CDC(英国)、Proparco(フランス)、DFC(米国)、FinDev Canada(カナダ)、DEG(ドイツ)、CDP(イタリア)等の開発金融機関、多国間開発銀行、国家公共開発銀行、商業銀行、ファンド・オブ・ファンズ、ファンド、財団など