ラオス「モンスーン風力発電事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):ラオス初の風力発電、東南アジア最大600MWの再生可能エネルギー事業で気候変動対策に貢献

#7 エネルギーをみんなに。
そしてクリーンに
SDGs
#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.04.10

国際協力機構(JICA)は2月25日、ラオス人民民主共和国のMonsoon Wind Power Companyとの間で、モンスーン風力発電事業向けのプロジェクトファイナンスによる融資契約に調印しました。本事業はラオス南東部に位置するセコン県、アッタプー県において、600MWの風力発電所を建設・運営することにより、再生可能エネルギー発電による電力供給の増加を図り、さらに売電先のベトナムの温室効果ガス排出量の削減による気候変動対策に寄与するものです。ラオス初の風力発電事業であり、ベトナム電力公社(EVN)にクロスボーダーで売電するもので、「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」(2019年11月発表)、「アジアエネルギートランジションイニシアティブ」(2021年5月発表)におけるグリーン投資促進に資する事業です。

スポンサーはタイ企業のImpact Electrons Siam Limited、BCPG Public Company Limited、STP&I Public Company Limited、シンガポール企業ACEN CORPORATION、三菱商事、ラオス企業SMP Consultationで、本事業はアジア開発銀行(ADB)、タイ輸出入銀行(Thai EXIM)、三井住友銀行(SMBC)等との協調融資により実施されます。

本事業はベトナム政府にとっても電力開発計画における重要事業の一つであり、ベトナムの電力需給ひっ迫解消及び気候変動対策に資することが期待されています。ベトナム政府は「国が決定する貢献(NDC: Nationally Determined Contribution)」において、2030年までに、気候変動対策を実施しなかった場合と比べて温室効果ガスを27%削減する目標を掲げています。近々国家承認が予定されている第8次国家電力マスタープラン(PDP8)は風力、太陽光による発電容量の増加を目標としており、本事業は同国政府の当該目標達成にも寄与することが期待されています 。

ラオスからベトナムへのクロスボーダーの売電を行う本事業はメコン地域の連結性強化に資するものです。ラオス政府はコンセッション契約に基づくロイヤリティ収入等から外貨収入を得ることができ、建設・運営時の現地雇用の促進が期待されます。さらに、スポンサー企業のコミュニティ開発支援プログラムにより事業サイトの電化が達成され、人々の生活向上も期待されます。

本事業は、SDGsゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)、及びゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献します。また、日本の三菱商事、三井住友銀行との共同案件であり、G7広島サミットと日本ASEAN友好協力50周年にあたり、国際社会への貢献の観点でも日本のプレゼンス向上に寄与します。

JICAはこれまで資金協力、技術協力事業等を通じ、様々な面からラオス及びベトナムの電力セクターへの支援を実施してきました。これらの支援を土台として、本事業を通じて民間資金を用いた再生可能エネルギー事業を後押しすることで、ラオスとベトナムの電力セクターを支援していきます。

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