ブラジル「北東部送配電網効率化事業」に対する融資契約の調印(海外投融資):ブラジルの最貧困地域におけるエネルギー利用の効率化を促進

#7 エネルギーをみんなに。
そしてクリーンに
SDGs
#10 人や国の不平等をなくそう
SDGs
#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs

2023.05.12

国際協力機構(JICA)は、3月30日、ブラジル連邦共和国北東部のペルナンブコ州で同国政府から事業権を得て配電事業を展開するNeoenergia Pernambuco(注)との間で、120億円を限度とする融資契約に調印し、5月11日に調印記念の式典を開催いたしました。本融資の資金は、同州におけるエネルギー利用の効率化を目的とした既存配電設備の検査・改修・更新のため活用されます。本融資は、株式会社三菱UFJ銀行との協調融資により実施されます。

ブラジルは発電に占める再生可能エネルギーの比率が高い一方、その大半が水力に依存していることから、渇水期の度に電力不足や電力価格の高騰に見舞われており、同課題への対策として再生エネルギー電源の多様化を推進しています。一方、電源の多様化による電力系統への負荷増加や既存設備の劣化が加速しており、安定かつ効率的な電力供給への影響が懸念されています。

 本事業の対象地であるペルナンブコ州は、ブラジル国内で貧困層が最も多い北東部に位置し、貧困率・所得格差・失業率はいずれも同国全土の平均と比して高い水準です。同州は貧困対策として外国・域外の企業誘致を進めており、産業多角化による経済成長を促進していく意向ですが、それに応じた電力供給の拡大および電力系統の拡充・安定化は、企業誘致・経済成長の文脈においても重要です。

Neoenergia Pernambucoは同州で過去20年以上にわたり配電サービスを提供し、388万軒以上の顧客を抱えています。本事業は、Neoenergia Pernambucoが2023年から2025年にかけて実施する配電設備の整備のための資金を支援することで、電力供給容量の増加・電力ロス抑制による省エネ促進を図り、もって同州の電力供給の安定化に寄与するもので、SDGs(持続可能な開発目標)の7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、10(人や国の不平等をなくそう)、13(気候変動に具体的な対策を)及び17(パートナーシップで目標を達成しよう)に貢献します。

ペルナンブコ州都レシフェで5月11日に実施した調印記念式典の様子

変電所の点検・改修を行うNeoenergia Pernambucoの職員

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