食料安全保障対応ファシリティ(SAFE)の創設(海外投融資):民間セクターによる開発途上国での食料安全保障に関する取り組みを推進

#1 貧困をなくそう
SDGs
#2 飢餓をゼロに
SDGs
#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs

2023.05.22

国際協力機構(JICA)は、5月22日、海外投融資の取り組みの一環として10億米ドルを上限とする融資枠である「食料安全保障対応ファシリティ」(「Facility for Supporting Agricultural supply chain and Food security Enhancement: SAFE)を創設しました。

本ファシリティは、2023年5月20日に岸田総理大臣がG7グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII:Partnership for Global Infrastructure and Investment)に関するサイドイベントにおいて、官民のインフラ投資を通じてパートナー国の持続可能な開発に貢献することを表明したことを踏まえ、日本の貢献の取り組みの一つとして創設したものです。

農作物加工工場運営事業

農作物加工工場運営事業

ファシリティ創設の背景

ウクライナ侵攻以降、国際食料価格(特に小麦、メイズ等穀物)が高騰し、日本での生活にも影響を与えています。加えて、気候変動による各国の収穫不順も懸念される中、各国の食料備蓄・輸出抑制により今後も価格の高騰が続くことが懸念されます。また、肥料価格は主原料の天然ガスの値上がりなどにより2020年比で約3倍と高止まりが続いており、食料価格をさらに押し上げる要因になると想定されます。
こうした状況を踏まえ、国際社会は、食料品及び肥料の世界的な価格高騰及び不足を含む食料安全保障上の問題に協調して対応することを確認し、またG7では、強靭で持続可能な農業及び食料システムの構築に向け、民間セクターを取り込む重要性がうたわれています。

ファシリティの概要

以下の事業を対象に、融資枠の範囲内で迅速な融資の実施を目指します。

ファシリティ(融資枠)総額:10億米ドル上限
融資条件:通常の海外投融資の融資条件を適用
協調融資:国際開発金融機関、二国間開発金融機関又は実績豊富なG7先進国民間銀行との協調融資を前提
実施期間:ファシリティ創設から5年間

本ファシリティはSDGs(持続可能な開発目標)ゴール1「貧困をなくそう」、ゴール2「飢餓をゼロに」、ゴール3「すべての人に健康と福祉を」に加え、農業分野での気候変動の適応への支援を通じて、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」にも貢献します。

民間企業を通じて食料システムを強化し、また小規模農家等の脆弱層の所得や農業生産性の向上等にも貢献する本ファシリティは、JICAグローバルアジェンダNo.5「農業・農村開発(持続可能な食料システム)」に基づく取り組みです。特に「JICAアフリカ食料安全保障イニシアティブ」で掲げる、他ドナーや民間企業等のパートナーとの協働を通じた、複合的脅威下にあるアフリカの食料・農業セクターの強靭性強化にも貢献します。

JICAは他の開発金融機関や民間セクターと連携しながら、開発途上国の民間企業による食料安全保障に関する取り組みを支援し、JICAのミッションである人間の安全保障と質の高い成長を実現に努めてまいります。

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