私のなんとかしなきゃ! 広瀬 すず 女優、モデル

同世代の私だからできること

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©Shinichi Kuno

「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の活動として、今年7月に初めて「JICA地球ひろば」を訪れました。ここは、開発途上国が直面する課題や、日本と途上国とのつながりを体感できる施設です。中に入ると、途上国でのボランティア経験がある「地球案内人」と呼ばれるガイドの方が、さまざまな展示の説明をしてくれました。実体験を踏まえた話なので、現地の生の温度感が伝わってきました。

ブルキナファソの学校の教室を再現した展示では、私も実際の物と同じサイズの長椅子に座ってみました。2人掛けかと思ったその椅子に、生徒4〜5人で座っていると聞いて驚きました。地球ひろばにはこのような体験型の展示が多くて、想像していた堅くて難しいイメージとは違い、とても気軽に楽しみながら学ぶことができました。

女の子だからという理由で学校に行けず、読み書きができないまま大人になる人がたくさんいることも知りました。文字が読めず、風邪薬を買いに行ったのに、間違って農薬と書かれた商品を手に取ってしまう事例もあるそうです。情報があふれている今の社会で、文字が一切分からない状況に自分が置かれたとしたら。そう考えると怖くなりました。日本では物心ついたら読み書きができるようになりますが、その当たり前だと思っていた暮らしは恵まれた環境にあるからこそ存在するのだと展示を通じて改めて気付かされました。

私の姉は、これまでにJICAを通じてフィリピンとインドを訪れています。インドでは、エスニック衣料や雑貨の販売を手掛ける日本企業とコラボしてTシャツを作り、私にプレゼントしてくれました。デザインはもちろん、姉が選んでくれた色も「私の好みを分かってる!」と感じるほどにお気に入りで、実は今日も着て来ました。機械ではなく、現地の女性たちが手作りしているところに、深い温かみを感じます。

姉の話を聞くうちに、私も途上国に行きたい気持ちがますます高まりました。特に関心があるのは、子どもたちの生活です。日本では親が料理や洗濯をしてくれる家庭が多いと思いますが、そうではなく家族のために働く子どもたちもいます。そんな国に対して、自分に何ができるのか。それを考える上で、現地に行くことは大きな意味があるはずです。

最近、雑誌のモデルの仕事を通じて、私が伝えたいことや発信したいことが、自分と同世代の人たちに広がり、つながっていることを実感できた瞬間がありました。「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の活動で目指していることも同じです。私が発信することによって、一人でも多くの同世代の人たちに、途上国の暮らしや国際協力の現場をより身近に感じ、関心を持ってもらいたいと思っています。

PROFILE

1998年生まれ。女優。昨年放送されたドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ)で連続ドラマ初主演を務め、映画『海街diary』で第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。今年公開された『ちはやふる』では映画初主演を務めた。雑誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルとしても活躍中。同じく女優として活躍する姉の広瀬アリスさんと共に、2015年6月に「なんとかしなきゃ!プロジェクト」メンバーに就任した。

なんとかしなきゃ!プロジェクト

「なんとかしなきゃ!プロジェクト」は、開発途上国の現状について知り、一人一人ができる国際協力を推進していく市民参加型プロジェクトです。ウェブサイトやFacebookの専用ページを通じて、さまざまな国際協力の情報を発信していきます。