女性も男性も 誰もが暮らしやすい社会を!

災害や紛争は、一見、男女に同じように降りかかるものに思えるが、実際には女性の被害例の方が多いことをご存知だろうか。 緊急時に女性がより不利な状況に追いやられないためには、平時から女性が社会に参加する仕組みを整えることが大切だ。

女性を取り巻く“見えない壁”

識字率の低さ

【画像】開発途上国では読み書きのできない女性も多く、女性や女児が緊急時の知らせなど、大切な情報を得られないことも少なくない。

動きにくいことも多い女性ならではの身なり

【画像】緊急時には、洪水の中を泳がなければならなかったり、一瞬の遅れが命取りになったりもする。女性ならではの身なりが、避難時の足かせになることもある。

合意形成の場における女性の不在

【画像】コミュニティー全体に関わる重要な事は男性だけで決定する慣習がある地域も多い。女性が参加しないことで、女性が暮らしにくい社会になってしまう。

こうした状況に災害や紛争などが重なると、女性を取り巻く不利な状況が顕在化する

災害のケース

1.災害が発生!!警報が鳴り響いているが…

【画像】警報が何の音であるかわからず、逃げ遅れてしまう女性がいる

2.女性が逃げ遅れないようにするためには…

【画像】災害時の行動について、啓発活動を行う

3.再び災害が発生!!啓発によって女性たちは…

【画像】無事に避難所へ逃げることができた

バングラデシュにおけるサイクロン犠牲者の男女比

男:女 犠牲者総数
1970年 1:14 約30万人
2007年 1:5 約3,500人

女性は、家で子どもや高齢者の面倒を見ていることが多く、社会的に孤立しがちだ。災害予報の精度が上がったことに加え、女性への啓発が進んだことで、男性からの指示なしではどう行動すれば良いか分からないという女性が減り、自発的に避難できるようになった。

紛争のケース

1.治安の悪化した町で女性が暴力を受けてしまったが…

【画像】女性の警察官がいないため、相談することができない

2.女性たちの安心・安全を守るためには…

【画像】女性の警察官を増やしていく環境を整える

3.女性警察官が町にいれば…

【画像】男性警察官には話しづらいことも、相談できるようになった

アフガニスタンの女性警察官向け研修の参加人数

約600人

JICAは2014年から日本人専門家を派遣し、トルコの警察学校でアフガニスタン人の新人女性警察官向けに、女性に対する暴力への対応能力向上を目的とする研修を行っている。参加した幹部候補生たちは、ディスカッションなどを通じて、暴力の要因や影響、女性警察官としての役割について理解を深めた。

【画像】どれも男性には気付きにくい視点だ!
こういう取り組みが妻や娘を守ることにつながるのか…!

イラスト:永江艶の