各地域の特徴は?世界の災害を知る

世界ではどんな災害が起きているの?

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1967〜2016年の50年間で、世界では約8,000件の大規模な自然災害が発生し、被害額は約7,300億ドルに上る。

自然災害による死者数は1967〜2016年の50年間で約280万人に上る。

発生件数 上位3地域

順位 地域 発生件数
1 東南アジア 1,674件
2 アフリカ 1,437件
3 南アジア 1,324件

被害額 上位3地域

順位 地域 被害額
1 東南アジア 1,729億3,500万ドル
2 南アジア 1,441億2,600万ドル
3 中米 1,031億1,300万ドル

地域別の死者数

順位 地域 合計
1 南アジア 88万2,066人
2 アフリカ 72万3,881人
3 東南アジア 43万81人
4 中米 32万5,650人
5 南米 15万9,059人
6 中東 13万4,433人
7 中央アジア・コーカサス 8,486人
8 大洋州 4,930人

POINT

  • アジアでは、暴風雨洪水といった風水害による死者数の割合が、他の地域に比べて高くなっている。
  • 中南米では、地震・津波による死者数が最も高い割合を占め、次いで暴風雨洪水といった風水害の割合が高い。
  • アフリカでは、死者数の9割以上が干ばつによるものである。

出典:CREDの災害データベース(EM-DAT)を基にJICA作成
※JICA支援対象国のデータを抽出

日本はどんな協力をしているの?

2005〜2014年までの10年間で、日本は6,745人の防災に関する専門家を海外に派遣。一方、海外から6,384人の研修員を日本に受け入れ、防災に関する研修を実施した。

事例1)エルサルバドル

中米は毎年のように各地で洪水、地滑り、土石流、地震などが発生し、甚大な被害を受けている。JICAは2007年から5年間、中米6カ国を対象に、各国のコミュニティーとそれを管轄する市町村の防災能力の向上を目指して、リスクマップの作成や早期警報システムの構築といったコミュニティー防災活動を支援してきた。2009年にハリケーン「アイダ」がエルサルバドルを襲った際、対象地域の一つであるラス・オハス村では、新しく構築した予警報システムによって村人が避難し、一人の死者も出さなかった。

事例2)バングラデシュ

バングラデシュは海抜9メートル以下の地域が国土の8割を占めており、毎年のように大型サイクロンや洪水被害に見舞われている。JICAは1970年以降、他のドナー機関やNGOなどと協力しながら、高床式コンクリート建築のサイクロンシェルターの建設をはじめ、気象観測や予警報発令の能力強化などを、長期にわたり支援してきた。1970年に発生したサイクロンでは30万人もの命が失われたが、長年の協力を経て、2007年の同規模のサイクロンでは約4,000人まで死者が激減した。

仙台防災枠組

災害による被害・損失を防ぐために、リスク削減を目指した国際的な防災の取り組み指針。2015年に仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議で採択された。仙台防災枠組では、7つのグローバルターゲットの実現に向けて、4つの優先行動を促しており、JICAは、この優先行動に沿った協力を展開している。

グローバルターゲット

A. 死亡者数の大幅な削減
B. 被災者数の大幅な削減
C. 直接経済損失の削減
D. 重要インフラおよび基本サービスへの損害の削減
E. 国家および地方防災戦略の策定
F. 国際協力の大幅な強化
G. 早期警報システムと災害リスク情報へのアクセス向上

優先行動

1)災害リスクの理解
2)災害リスク管理のための災害リスクガバナンスの強化
3)強靭(きょうじん)化に向けた災害リスク削減のための投資
4)効果的な応急対応のための災害準備の強化と、復旧・再建・復興におけるより良い復興(Build Back Better)