日系社会との民間セクター連携について

背景と目的

JICAでは2008年10月に民間連携室を設置し、BOPビジネス連携促進やPPPインフラ事業に関する協力準備調査などを導入し、ODAと民間のビジネス活動の連携を推進している。また、中南米地域支援戦略においても民間連携を戦略性を高めるためのアプローチとして位置づけている。しかしながら、地理的距離等もあり、他地域と比べると、日本の民間企業の関心が限られているのが現状である。

他方で、新興国として存在感を高めているブラジルをはじめ多くの中南米諸国には、戦前、戦後に移住した日本人の子弟である日系人が現在約213万人居住し、日系社会・コミュニティが築かれており、日本及び日本人への高い信頼感、親近感へと繋がっている。こうした日本との歴史的な関係を背景として、現地で活躍している日系人及び日系人が経営する企業と日本の民間セクターとの連携、協力の可能性が存在すると考えられる。

そのため、移住先国で活躍する日系人をパートナーとして、日本の民間企業と連携し、現地の開発課題の解決に貢献し、さらに民間企業が中南米への事業展開を実現するといった互恵的な協力の可能性を探ること等を目的に2012年度から国内各地で中南米・民間連携セミナーを開催するとともに、公募により参加企業を選定し、これまでに9回の調査団を南米に派遣した。

調査団参加後、参加企業は、中南米へ独自の事業展開、JICA民間連携スキームの案件化調査や普及・実証事業への参加、日系社会研修員を含む技術研修員の受入れ、その他の支援団体のスキームの活用等、新たな事業展開を進めている。また、JICAや業界団体、地元経済団体が開催するセミナーや、それら団体が発行する広報誌等で、中南米地域の開発、日系社会との連携、民間投資の可能性について等の情報発信を行っている。

今後も、本調査団の派遣によって中南米地域のJICA事業及び日系社会との連携事業の一層の促進が期待される。

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ビジネスミーティングにて現地企業とのマッチングを図る(パラグアイ)

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民間連携セミナーにて調査団参加企業のブースを設け、個別商談(ペルー)

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日系企業家ネットワーク及び現地企業への製品・サービス紹介(アルゼンチン)

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現地日系人が経営している胡麻と豆の輸出企業を視察(ボリビア)

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ビジネスネットワーキングセミナー(ブラジル)