所長あいさつ

JICAセネガル事務所は豊かな多様性に富んだ政治・経済、歴史・社会背景を持つアフリカ大陸最西端の7ヵ国を担当するJICAの地域拠点事務所です。

セネガルは、1960年の独立以来、クーデターや内戦等が一度も発生していない西アフリカでは数少ない安定した民主主義国家です。首都ダカールは、大西洋に突き出した半島に位置し、一年の半分近くが涼しく比較的過ごしやすい気候です。JICAは、1980年に最初の青年海外協力隊員3人を受け入れた頃から拠点をダカールに置いています。

セネガルは一言で言えば国の安定が強みです。仕事を進めるパートナーとして、一貫した中長期的な取り組みがしやすい国とも言えます。開発協力事業としては、人々の生活を豊かにするために、直接的に経済成長につながる方策と人々を誰一人として取り残さないための包摂的な社会サービスの提供とのバランスを取った事業群を展開しています。具体的には、港湾、橋梁等の運輸交通網の整備、電力網の安定、稲作生産の強化、水産業の開発、保健・医療サービスの量と質の向上、教育の質の向上といった支援を展開しています。政治・社会の安定や良好な気候条件などからここでのビジネスに関心を持ってくださる日本企業の方も増えています。

セネガル以外には、カーボヴェルデ、ギニア、モーリタニア、マリ、ガンビア、ギニアビサウの6ヵ国を担当しています。

カーボヴェルデは、欧州からの観光客を多く受け入れる観光資源に富んだ島嶼国です。JICAは、発電所・送電網の整備や上水道施設の整備というライフラインを中心とした支援を展開しています。

ギニアは、アフリカの伝統的な親日国です。貧困国の一つであり、豊富な天然資源に頼る経済構造の転換が課題となっています。本年6月には日本政府から首都コナクリにおける新たなJICA拠点の開設が表明され、今後ますますの開発協力の展開が求められています。

モーリタニアは、日本にとってのタコの輸出大国として有名です。日本の食卓ににのぼるタコの多くがモーリタニアで漁獲されたものですが、モーリタニアの水産業の開発に対してJICAは長年協力しています。

マリは、サハラ砂漠の周縁(サヘル)に位置する内陸国です。リビアの崩壊に端を発するサヘル地域の政治・社会の混乱、治安の悪化、暴力的な過激主義の蔓延によるテロの頻発といった危機にさらされてきました。国家再建に向けて国際社会が一致団結して支えていくことが引き続き求められています。その中でJICAは国造りのために必要な人材の育成を軸とした支援を行っています。

ガンビアは、セネガルの国土をちょうど分割するような形でガンビア川に沿って位置する国です。セネガルとは経済、民族等の強いつながりがあります。今年、1990年以来継続していた長期政権の交代があり、新たに選出された大統領の下に国家開発が進行中です。

ギニアビサウについては、政権内で頻繁な閣僚の交代が繰り返されており不安定な状況が続いていますが、セネガルの南部カザマンス地方とも隣接する国であり、ガンビアの新たな変化とともに支援が求められています。

以上、セネガル事務所の担当する国々は7ヵ国合わせて人口5000万人以上の経済圏となります。

アフリカ大陸最西端の地域は、日本から遠く、情報も不足している地域ですが、親日的な国が多く、また、セネガルの首都ダカールは将来の西アフリカでのビジネス展開のエントリーポイントと言えるかもしれません。

引き続きJICAの活動状況や皆さんのお役に立つような西アフリカの生の情報を提供していきたいと思っています。今後とも内容の充実を図ってまいりますので、皆さんからの積極的なご要望やご意見をいただけると大変嬉しく思います。

2017年8月
セネガル事務所長
森谷 裕司