jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

JICAセネガル事務所のホームページをご覧の皆様、当事務所の取組にご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。

JICAセネガル事務所は、アフリカ大陸最西端に位置するセネガルをはじめ、カーボベルデ、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、マリ、モーリタニアの7か国を所轄する、西アフリカの地域拠点事務所です。これら7か国は、合計で約9,000万人の人口を有し、名目GDP約1,300億米ドル規模(2025年、名目GDP)の経済圏を形成しています。

西アフリカ地域のゲートウェイとして重要な役割を担い、域内経済を牽引するセネガルは、1960年の独立以来クーデターや内戦を経験したことがない、安定した民主主義国家として知られています。また、セネガルの人々が大切にする「テランガ」と呼ばれる相互扶助の精神は、社会の連帯と安定を支える重要な基盤となっています。

JICAは、1980年にセネガルに事務所を開設してから今日まで、技術協力や有償・無償の資金協力、JICA海外協力隊(JOCV)の派遣などを組み合わせ、稲作や水産を中心とした一次産業の振興や食料安全保障の強化、基礎教育や保健医療サービスの質の向上、職業訓練を通じた産業人材の育成に長年取り組んできました。あわせて、飲料水や電力の安定供給、物流インフラの整備など、人々の暮らしと経済活動を支える基盤づくりにも力を入れています。

人づくりに重きを置き、相手国のオーナーシップとパートナーシップを尊重するJICAの協力は、2024年に発足した現政権が掲げる、競争力ある経済の構築、食料主権の確立、質の高い人的資本の育成といった政策目標にも貢献しています。近年では、デジタル化を通じた行政サービスの効率性向上など、新たな課題にも対応した協力を進めています。こうした長年の協力の成果を基盤として、セネガルは西アフリカ広域に対するJICAの協力の拠点としての役割も担っています。

日本の民間企業の皆様とセネガル、さらには西アフリカ地域とのつながりも広がっています。職業訓練協力や日本の大学で学び日本企業でインターンを経験するABEイニシアティブなどを通じて育成された人材は、セネガルや西アフリカ地域で事業を展開する日本企業においても活躍しています。また、近年では、日本企業の皆様から職業訓練への協力もいただいています。セネガル社会に精通し、現地語も理解するJOCVの累計派遣実績は1,200人を超え、JICAや国際機関に加え、セネガルをはじめとする西アフリカで活動する日本企業などでも活躍しています。

当事務所が所轄するセネガルの近隣6か国も、それぞれに異なる特徴と課題、そして可能性を有しています。所得階層が高く、複数の島から成るカーボベルデでは、有償資金協力を通じた上水道整備などを支援しています。

ガンビアは国土がセネガルに囲まれており、この両国の結びつきを生かし、農業分野を中心とした協力を展開しています。2018年にフィールドオフィスを開設したギニアは、豊富な天然資源を有する一方、資源依存型経済からの構造転換や、インフラ・人的資本の不足が課題とされており、農業・水産、保健、橋梁などのインフラ整備を進めています。

また、日本のタコ輸入量の約3割を担うモーリタニアでは、長年にわたる水産分野の協力を通じて、日本向けの安定的なタコ輸出にも貢献しており、近年は農業など他分野への協力も拡大しています。

近年クーデターが続き、暴力的過激主義の影響が広がるマリに対しては、研修事業や遠隔協力を通じ、基礎教育、農業、職業訓練を中心とした人材育成に取り組んでいます。マリが位置するサヘル地域は、気候変動への脆弱性が高く、人間開発指数が低水準にとどまる国が多いなど、複合的な課題に直面しています。当事務所では、地方行政機関とコミュニティとの信頼醸成を重視した広域的な取組を通じ、域内の連帯を促進し、人々と社会の強靭性を高める「人間の安全保障」の考え方に基づく協力を進めています。

当事務所が所轄する国々は、各国の規模自体は必ずしも大きくはありませんが、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)や西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を通じ、域内諸国の結びつきが強い地域です。この地域に平和と安定が定着し、地域全体が発展していくことで、日本企業をはじめとする多様な民間の皆様の活動が一層広がり、日本と西アフリカ地域との信頼関係がさらに深まっていくものと考えています。JICAとして、そのような環境づくりに貢献できるよう、引き続き取り組んでまいります。今後とも、皆様のご理解とご協力、そしてご提言を賜れれば幸いです。

JICAセネガル事務所/西アフリカ地域拠点
所長  増田 淳子