安冨 藍さん「マラウイで栄養教育に取り組む」

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朝のティータイム。妊産婦さんのクリニックでいつも優しく勧めてくれます。

職種
栄養士
派遣国
マラウイ共和国
派遣期間
2017年10月~2019年10月(2017年度2次隊派遣)
出身
徳島県

活動内容

県病院での地域住民の栄養状態の把握、患者の栄養改善へ向け地域の食材を用いた栄養教育の普及や実施、院内の業務環境改善

活動報告

朝は鶏の声で始まり、地平線に沈む虹色の夕焼けで1日が終わる、そして夜には天の川が煌めく…そんな大自然の中で過ごしています。

私は栄養士としてマラウイで活動しています。マラウイは乳児死亡率が42%と高く(日本は2%)(注)、対策に力を注いでいます。
一 方で、私は手に入る食品の種類と肥満者の多さに驚かされました。糖尿病や高血圧症等の生活習慣病も増えつつあります。マラウイの低栄養の原因として、食べ物が手に入らないことと同時に、食べ物があったとしても人々が食べ方を知らないことも挙げられます。食べ物と病気や身体との関係について、知る必要性を感じている人や関心のある人はいるものの、業務としてはこれからの段階です。栄養教育を通して食べ方を伝えることを中心とした活動を行っています。
マラウイ人は主食のシマ(トウモロコシの粉を固粥状にしたもの)が大好き。食事調査の結果、シマと野菜、小魚、果物、時々肉と、多くの人が似たような食事で生活しています。地域で手に入る食材や親しみのある調理法を用い、必要栄養素を満たすようなモデルメニューの作成を行い、何をどのくらい食べたら良いかの目安も調理スタッフと作り紹介し、地域の栄養状態改善のために日々取り組んでいます。
不安定な電気や水と同様に、現地の人と同じ食のアクセスで生活することも、栄養士として大変興味深く感じています。

(注)出典 Malawi Demographic and Health Survey 201516/National Statistical Office Zimba,Malawi/Feb. 2017
平成30年我が国の人口動態/厚生労働省政策統括官

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HIV/AIDS陽性者のクリニックでのヘルストーク。興味深そうに聞いてくれたり積極的に意見が出ます。

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巡回先でのヘルストークの様子。村へ行き、お母さん達に離乳食の話をしています。

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休みの日に小学校の子供たちとカレーを作りました。日本食に興味津々。

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主食のシマ。トウモロコシを粉状にし、お湯に入れてかき混ぜて作ります。食感はもちもち。

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アフリカの伝統的な布・チテンジ屋さん。テーラーさんに服を作ってもらうのも楽しみの一つ。

協力隊に参加するまで

幼少期を藍住町で過ごす。大学で栄養学の面白さに目覚め、大好きな栄養学を、一番栄養を必要とする人たちのために使いたいと思うようになった。病院・特別養護老人ホームで勤務後、協力隊へ参加。

(「徳島人」2019年6月号に掲載)