同僚や地域ボランティアスタッフに対し現場に適したリハビリテーションの提供と技術向上のための指導。
日本の真南、赤道直下に位置する小さな島国、東ティモール。2002年に独立を果たした新しい国です。私は理学療法士として、配属先のクリニックや地域のコミュニティで、0~90歳までの様々な年齢の方を対象にリハビリテーションの提供をしています。また、ヘルスボランティアスタッフへの勉強会を行い、技術を伝えています。東ティモールではリハビリテーションはマッサージ中心のため練習メニューの種類が少なく、身体の評価を行う習慣がありません。また、日本とは異なる伝統医療が普及していたりと、文化の違いを身をもって体感しています。様々な課題に臨機応変に対応する同僚たちから学ぶことは多く、リハビリテーションの枠にとらわれない考え方の大切さを感じています。
東ティモールの人々は歌とダンスが大好きです。結婚式などの行事では夜10時から早朝5時頃まで歌に合わせてずっと踊りっぱなしです。ダンスはチークダンスのように男女1組で踊るダンスが主流で、ステップの種類が多く、私はまだまだ練習が必要です。
つい最近まで長い紛争が続いた東ティモールですが、陽気な人々と豊かな自然がその悲しい過去を感じさせません。人とのつながりを大切に、これからもリハビリテーションの普及と技術向上に貢献していきたいと思います。
鳴門高校(普通科)卒業後、県内の専門学校で資格を取得。卒業後は県外の病院で5年間勤務し、2018年10月よりJICA海外協力隊に参加。
みんなでご飯を食べ、食後は東ティモール名産のコーヒーを飲むこと。
(「タウトク」2020年4月号に掲載)