所長あいさつ

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スリランカは、急速な経済発展を遂げており、近い将来、一人当たりの国民所得が、中進国の水準に達すると見込まれています。しかしながら、北海道の8割程の面積に2000万人以上が住むスリランカが、今後、さらなる経済発展を遂げていくためには、多くの解決すべき課題があるのも事実です。

例えば、運輸・上下水道・電力などの経済インフラの不足が、既に産業発展のボトルネックとなりつつあります。これまでにも日本政府・JICAは、スリランカの空の玄関口であるバンダラナイケ国際空港などのインフラ整備に対して協力を行ってきました。しかしながら、急速な都市化とともに、年々深刻さを増しつつあるコロンボ市内の交通渋滞等、新たな課題にも対処していかなくてはならず、日本の経験や技術に期待が寄せられています。

また、スリランカは、2004年のインド洋大津波を始め、毎年発生する洪水や土砂災害等の自然災害の脅威にさらされています。JICAは、災害大国である日本の知見を活かしつつ、災害に強い国づくりに対しても積極的に協力を行っています。

さらに2009年に終結した内戦の紛争地域となった北部・東部の復興支援を国際機関やNGOと共に積極的にJICAは支援しています。第二次大戦後の1951年のサンフランシスコ講和会議において、当時のスリランカの財務大臣であったジャヤワルダナ氏が日本の主権を擁護する演説を行って、日本は国際社会に復帰できることとなりました。同じように私たちも内戦後のスリランカの発展を後押しできればと考えています。

日本のスリランカに対する国際協力は、60年以上前にスリランカから7名の研修員を受け入れたことに始まります。そして1960年代には円借款と無償資金協力を開始し、スリランカの経済社会発展を支援してきました。また、1981年からは青年海外協力隊の活動が始まり、2015年10月には1000人目のボランティアがスリランカに派遣されました。この長い歴史のある国際協力が、日本に対する信頼の基礎となって、現在の良好な両国の関係につながっていると思います。スリランカがより発展し、さらに日本との良好な関係が構築できるよう私たちも尽力したいと考えておりますので、皆様方からの一層のご支援とご鞭撻を頂きますようお願い致します。

JICAスリランカ事務所長
田中 総東(たなかふさと)