アフリカでの拡販に向けて-HondaがJICA筑波で稲刈払機の実証を行いました!

2021年11月29日

2021年10月、本田技研工業株式会社(以降、「Honda」)がJICA筑波の圃場で、稲刈払機の実証を行いました。

背景

Hondaは二輪、四輪に加え、汎用エンジン、耕うん機、発電機、除雪機、芝刈機やポンプなど、多彩な商品を「パワープロダクツ事業」として提供してきました。2019年9月にはパワープロダクツの累計生産台数が、1億5,000万台を達成し、100を超える国々で販売されています。

今回、製品の一つである「刈払機」のアフリカ地域での拡販に向けて、JICA筑波の圃場で栽培しているNERICA(注)を使用して、手刈りと比べた実証が行われました。

(注)NERICA:New Rice for Africaの略。高収量のアジア稲と病気・雑草に強いアフリカ稲の交配によって1994年に開発された稲。

実証の様子

当日、同じ面積を、刈払機と手刈り(鎌)で収穫し、作業時間、脱粒した籾(収穫時に稲穂からこぼれ落ちた穀粒)、刈残し、収穫量を計測し、比較。貴重な機会に、研究機関、研修委託先など、様々な関係者が視察に訪れました。
今回の実証条件下では、「脱粒性は手作業と比較し大差なく、脱粒度合いは低度」との結論となりました。

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実証で使用した刈払機(UMK435T)

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手刈りと比較。作業時間は刈払機の圧勝!

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刈払機、手刈りそれぞれ、収穫量や脱粒した籾を計測します。

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多くのギャラリーが。皆さんの関心の高さが窺えます。

Hondaご担当者のコメント

「昨年度JICA筑波でNERICAの栽培をされていることを知ってから、今回のような実証がしたいとずっと考えていました。弊社刈払機の収穫用途の使用は、アジア地域等で多くの実績がありますが、NERICAがより脱粒しやすい品種であることを聞き、アフリカのお客様に勧められるレベルを満たしているかが気がかりであったためです。JICA筑波の皆様には弊社の製品実証の要望を快く受けて頂き、圃場の提供にとどまらず、テスト手法に関してアドバイスのできる専門家の方につないで頂いたり、収穫後の脱穀や測定作業をお手伝い頂いたり、期待を越えるご協力を頂きました。またアフリカ農業開発に携わる多くの皆様にお集まり頂き、実際の収穫作業の様子を見ながら、今後普及を進めていくうえでの課題等についてご意見をお伺いすることができました。弊社にとって大変満足度の高い実証となり、関係者の皆様に感謝しております。」

今後ともアフリカ農業機械化/小規模農家への貢献に取り組むHondaの活躍に注目しています!

お問い合わせ先

JICA筑波では、NERICAやIRといった日本での栽培面積が限られるアフリカやアジアのイネを栽培しています。圃場で栽培している稲や、収穫した籾を使用したデータ収集や実証のご相談も受け付けておりますので、お気軽に下記お問い合わせ先までご連絡ください。

JICA筑波 研修業務課
メール:tbicttp@jica.go.jp