専門家ブラッシュアップ研修(協力分野における農業普及活動)を実施しました!

2022年1月25日

2021年12月16日、「協力分野における農業普及活動-これからの普及を考える-」研修を実施しました。JICA筑波研修指導者の沼田光夫氏の他、普及支援組織や研究者、民間コンサルから5名の講師を招き、講演・ディスカッションを行いました。後日の配信希望を含め、60名の申込みがあり、当日は来訪・オンラインで30名を超える方々がご参加。当日の様子と参加者の声をご紹介します。

研修概要

農業普及活動は農業開発において大きな重要性を持ち、日本・途上国ではそれぞれの普及活動が実施されてきました。体制や実情は国ごとに異なりますが、共通する課題も多い「普及」。本研修は、日本や海外の普及の歴史や体制について学びなおすとともに、海外事例等を関係者間で共有することを目的に実施されました。

はじめに、沼田氏より日本の農業普及事業の歴史、体制、そして事業の進め方や内容についての説明があり、日本の農業普及への認識共有が図られました。続いて齊藤総幸氏(全国農業改良普及支援協会)より、日本の普及関係組織による活動紹介として、機関紙「技術と普及」や普及支援ツール「EK-SYSTEM」のデモを含めた紹介が行われました。ジョン・S・コールドウェル氏(日本農業普及学会特別顧問)からは、「普及とは・普及の目的とは」という根本的な問いにはじまり、世界的視野での普及モデルの変遷や普及事例についての講演がありました。

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沼田氏の講演

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齊藤氏の講演

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コールドウェル氏の講演

3つの講演の後は、3つの事例報告を実施。中田耕司氏(海外農業開発協会)は、JICA筑波で実施する研修をベースに、普及員が抱える課題や研修からの学びについて、研修参加者の声を紹介。竹中宏美氏(三祐コンサルタンツ)からは、パキスタンのプロジェクトを題材に、プロジェクトの枠組みからの普及の工夫ポイント解説がありました。

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中田氏の事例報告

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竹中氏の事例報告

最後に澤田康介氏(国際耕種)より、様々なプロジェクトで得られた普及に関する知見について、技術力・農家との距離・普及局の組織力などのテーマに沿って考察した内容の発表がありました。

研修の最後には、参加者の皆さんと総合討議を行いました。会場参加者からは、多くの意見や情報提供があり、予定時間を超過しての充実した意見交換が行われました。

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澤田氏の事例報告

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総合討議

参加者の声

参加者からは、以下のような感想・意見が寄せられました。

  • 紹介された普及手法を、自ら従事するプロジェクトにおいても活かしたいと思った。
  • 「主体性」の説明を聞いて、参加型プロジェクトにおける農民の参加とはこのことだと感じた。
  • 非常によくオーガナイズされており、内容も概略から具体例まで網羅的にカバーされていた。

JICA筑波では、今後も現地や専門家のニーズにこたえる研修を企画して参ります!

研修企画、参加にご関心をお持ちの方は、ぜひ以下の「お問い合わせ先」にご連絡ください!

お問い合わせ先

JICA筑波 研修業務課
メール:tbicttp@jica.go.jp