ヨルダン派遣中の守永SVよりお便りが届きました。

平成25年度2次隊 シニアボランティア 経営管理
守永 大策

(写真1)首都アンマンにも古代都市の遺跡があります。写真の場所はローマ皇帝の命で造られたというヘラクレス神殿の跡地で、昨年10月赴任直後に行ってきました。

(写真2)アラビア語学校の入口で。同期の青年海外協力隊5名と、学校の若い先生お二人が一緒です。

(写真3)初めて民間企業を訪問したときの写真です。配属先大学の先生お二人、同じ場所で活動しているシニアボランティア1名に私を加えた総勢4名で訪問し、訪問企業の副会長さんが工場案内をしてくれました。ここへは今も時々訪問しては、工場の省エネルギーなど経営改善に関するサポート活動を継続しています。

(写真4)配属先のヨルダン大学工学部の本館前にて。大雪が降った3日後に初めて大学を訪れた時の写真です。結局仕事はできず、翌日から再び大学閉鎖となってしまいました。

2013年10月から中東の国ヨルダンの首都アンマンでボランティア活動中の守永大策です。
JICAによる語学訓練などの初期教育を受けた後、11月中旬にFaculty for Factory(FFF)プロジェクトのセンター(ヨルダン大学の中にあります)に赴任しました。配属先のFFFは、国の資金援助を受けた学術機関が民間産業界の要望を受けて問題解決にあたるという仕組みの国家プロジェクトです。FFFで活動を開始して3ヶ月が経過し、少しずつ活動のやり方が分かってきたような気がします。具体的な活動として考えていることは、アンマン近郊の民間企業を訪問して、工場のエネルギー消費量削減やエネルギー効率向上など『省エネルギー』についての助言や指導と、将来の産業人材である工学部の学生さんへの講義などを行うことです。とはいっても一朝一夕に成果を上げることは難しいので、ヨルダン人との日々の交流を大切にすることがヨルダンと日本の架け橋になると信じて、国際友好親善活動にひたすら励む今日この頃です。

以上のように活動の成果が上るまでには少し時間がかかりそうですので、ここではヨルダンという国がどんなところなのかを皆様にご紹介したいと思います。
ヨルダンは、北海道と同程度の面積に600万人強が暮らす中東の小国です。シリア・レバノン・イスラエル・エジプト・イラクなどに囲まれている為、怖い地域と思われそうですが、政治体制は比較的安定しており、アンマンで身の危険を感じたことは今のところありません。但し、シリアとの国境周辺は戦火を逃れた難民が急増しており、戦争が近くで起きている厳しい現実があるのも事実です。

中東にしては珍しく石油が出ません。水も少ない砂漠国ですが、石油を燃料とする電気料金や水道料金は、茨城県で支払っている単価と比べると1/3から1/5という破格の安さです。(からくりは、政府の補助金のおかげと思われます。)
暑い国というイメージがあるかもしれませんが、昨年末には30年来という大雪が降りました。積雪30cm、2日間の降雪日を含めて前後10日間にわたって公共機関の機能がマヒし、思わぬ休日とはなったもののアパートに籠って過ごすしかないという貴重な体験をしました。

話が変りますが、ヨルダンには4つの世界遺産があります。有名なのは映画インディージョーンズの舞台となったペトラ遺跡でしょうか。2000年以上前に栄えていた古代都市の遺跡です。とても広くて1日ですべてを見ることは難しいと言われています。アラビアのロレンスという映画では、ワディラムという世界遺産の砂漠がロケ地となりました。第一次世界大戦当時に戦ったベドウィン族の人達が今は観光産業の発展に一役買っており、砂漠のテント泊で見る天の川は格別だと聞いています。残念ながらボランティア活動に集中している身で、上記2か所はまだ訪問していませんが、近いうちにぜひ訪れてみたい場所です。

皆様は死海ってご存知ですか? 世界遺産ではありませんが、体が勝手に浮いてしまうことで有名な湖です。海抜マイナス400mという世界で一番標高の低い場所にあり、死海から流れ出る川はありません。太陽熱で水分が絶えず蒸発しており、残った水に含まれる塩分濃度が極端に高くなった結果、体が自然に浮いてしまうという不思議な経験をすることができます。

以上3か所を紹介しましたが、皆様も機会がありましたらぜひヨルダンに来て、日本では見ることのできない絶景を堪能したり、不思議な体験をしてみて下さい。
観光親善ボランティアでもないのに、いつの間にかヨルダンの観光PRとなってしまい、
失礼しました。それでは、このあたりで、مع السّلامة。
(これはアラビア語の文字で、マアッサラーマと読みます。”さようなら”という意味です。)