【JICA海外協力隊 隊員候補生が語る】派遣前特別訓練で得たもの、そしてこれから~「おやま~る」(栃木県小山市)での経験

2021年8月2日

左から、山﨑さん、平田さん、公平さん

2021年4月から、栃木県小山市市民活動センター「おやま~る」(小山市)でJICA海外協力隊の派遣前特別訓練が行われています。訓練に参加している隊員候補生(派遣予定国/職種)は、公平(こうへい)千鶴子さん(ブラジル/料理)、平田 すみれさん(ボリビア/青少年活動)、山﨑 真輝さん(パラオ/体育)の3名です。
3名の派遣前特別訓練報告会が7月6日に開催され、それぞれが学び・気づきなどを話してくれました。訓練前に「ここでの学びを任国で活かしていきたい」と意気込んでいた皆さん、どんな変化があったのでしょうか?

「ボランティア希望者の相談対応、社会課題マップ作成など、多様な「おやま~る」での活動

 小山市市民活動センター「おやま~る」は、小山市を中心に市民活動、ボランティア活動、地域づくりなどに主体的に取り組む団体や個人を支援する拠点です。JICA海外協力隊の派遣前特別訓練は、「おやま~る」の指定管理者「ゆめ評定」(青年海外協力隊事務局の技術顧問である結城史隆氏が代表)が実施。隊員候補生たちは、インターンとして「おやま~る」に所属し、ボランティアの支援を必要とする方、ボランティアをやってみたいという方への相談対応、広報強化活動、フィールドワーク等を通じた社会課題マップ作成など、様々な業務に取り組んでいます。
7月で訓練卒業となる公平さんにとって、7月の報告会が最終報告の場となりました。「慣れないPCを使った業務や、仕事のスピード感に苦労」しながらも、様々な立場の方が訪れる「おやま~る」での相談対応では、積極的なコミュニケーションを心掛けたそうです。異なる意見を聞き取り、その想いを組み取ることが求められる相談対応の経験は、隊員の活動にもきっと活かされることでしょう。

講義・業務体験から得た学び・気づきとは

「地域活性化研究会 STONY」のファシリテーターに挑戦する山﨑さん(写真中央・起立)

 訓練では、結城史隆講師による異文化理解に関する講義やPCM研修も行われました。フィールドワークやファシリテーション業務を通じて、任国で役に立つ様々な手法などを学ぶ機会も多くありました。
 「PCM研修では、活動の成果をまず考え、そこから必要な活動内容を組み立てていくことが大切だ、と学びました。今後の活動にも活きていくと思います」と話してくれたのは、青少年活動隊員として活動予定の平田さん。
 体育隊員として活動予定の山﨑さんは、研修の一環で「社会課題調査」のフィールドワークに取り組みました。「小山市の商店街などに足を運び、地域の方々へのヒアリングを行いましたが、委縮してしまい、多くの反省点が残ります」とのこと。一方で、「町を愛する方々と一緒に過ごすことで、私自身も、自分の町が好きだと分かったし、人と触れ合うことが大好きだ、ということが分かりました」と、地域の方々との触れ合いによる心の変化を話してくれました。

 候補生たちは、訓練を通じ、地域活性化のためには、過去の成功例をただなぞる、真似るのではなく、成功例を生んだ精神や信念を手本にすることが大切である、と学びました。また、課題分析の手法、ファシリテーターの重要性、協力隊活動において大切な異文化(人と文化)理解に必要な精神についても多くを吸収しました。
 さらに、候補生は、自治体間の情報交換や参加者個人のスキルアップを目的とし茨城県・栃木県内複数の自治体職員などが活動する研究会「地域活性化研究会 STONY」のワークショップでファシリテーターに初挑戦!夢に出てくるほど不安は大きかったとのことですが、そこから得た様々な気づきとたくさんの学びを、任国での活動に活かしたい、と力強く話してくれました!

結城講師から隊員候補生へのエール

 報告会の締めくくりには、「おやま~る」のセンター長を務め、「ゆめ評定」の代表でもある結城講師より、「今回の訓練を通して、上手くいった人にはどういう情熱や意欲があったのか、そういった部分を真似ていってほしい。常に自分を疑い、こうしたほうがいい、という決めつけをせず様々な視点から物事をとらえていくことが大切であり、またその手法を今後も学んでほしい。派遣後の活躍を期待しています。」とエールが贈られました。

訓練での学び・気づきを生かし活躍を!応援しています!!

 今回参加した3名の協力隊候補生は、自身の専門分野とは必ずしも一致しないが、派遣後の活動に確実に活かせる学びを、前向きに訓練に取り組む中で得たようです。また、本訓練を経て、地域との関わりの大切さや、もっと人々と交流を深めてみたい、という気持ちを強くするなど、自分自身のこれまで気づかなかった部分に気づくことができたようでした。

 今回で訓練を終了する公平さん、大変お疲れ様でした!
引き続き訓練を続ける平田さん、山﨑さんを含め、 JICA海外協力隊として派遣・活動予定の皆さん、今後の活躍を期待しています!