【5月18日(木)開催!】ウクライナICT系スタートアップPitchイベント:スタートアップ支援NINJAプログラム参加企業6社が登壇

2023年4月28日

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JICAは、ウクライナ発スタートアップ6社によるオンラインピッチイベント(注1)を開催します。

54社の応募の中から選抜された6社のスタートアップに対して、JICAは計3か月間、メンタリングやワークショップ機会の提供によって成長を加速させるプログラム"NINJA"を実施してきました。戦争中のプログラム実施は容易ではなく、幾度のプログラムの中断を余儀なくされ、支援対象企業の辞退もある中で、ようやく迎えた本イベントでは、6社それぞれがプログラムを通して進化した事業について渾身のプレゼンを行います。オンラインでも参加可能ですので、ぜひ奮ってご参加ください。また、6社の事業紹介やNINJAに参加した感想、日本企業への期待など、最新のインタビューも本ページの下段に掲載しております!

参加申し込み:こちらから

(注1)スタートアップが自社の事業を投資家などにプレゼンし、資金調達や認知度向上を目指すイベント

なぜウクライナでNINJA開催?-ICTセクターの成長著しいウクライナのスタートアップ

ウクライナを始めとする東欧諸国は、安価で質の高いエンジニアを有することから、近年、ICTセクターに世界から注目が集まっており、その中でも同国は特にスタートアップエコシステム(注2)の発展が著しい国の一つです。将来巨大企業に成長する可能性のあるユニコーン(注3)と呼ばれるスタートアップも、既に3社存在しています。2022年2月24日に始まったロシアによる侵略は、ウクライナやその周辺国の経済活動に大きな打撃を与えましたが、そのような困難な中でも同国のスタートアップの輸出額は侵略前の2020年に比べて3倍の成長を維持しており、今後のウクライナの経済を支える新たな産業の育成に向け、大きな可能性を持つ分野と言えます。

JICAはウクライナにおけるICT系スタートアップの更なる発展による同国の雇用活性化を目指し、2022年1月より同国のスタートアップ支援NINJAプログラム(注4)を開始し、ロシア侵攻後の中断期間を経て、2023年5月まで、計3カ月間のプログラムを実施しています。

(注2)スタートアップを取り巻く、投資家や大学、公的機関、大企業などの様々なアクターがネットワークを作り、スタートアップを生み出しながら発展していくシステム。
(注3)「創業10年以内」、「評価額が10億ドル以上」、「未上場」、「テクノロジー企業」の4条件を満たすスタートアップのこと。名称の由来は、伝説の生物であるユニコーンと同じくらい希少であるという意味に基づく。
(注4)Project NINJA(Next Innovation with Japan、NINJA)の一環として開催。途上国の社会課題の解決を図り、質の高い雇用創出の契機となる起業家の育成のため、JICAが2020年に開始。

Pitchイベント詳細

  • イベント名:ウクライナICTスタートアップPitchイベント
  • 主催:UNIT.City(ウクライナ)
  • 共催:JICA、AAIC Investment、MURC、楽天ヨーロッパ
  • 日時:2023年5月18日(木)17時~19時(日本時間)
  • 配信:オンライン配信を用いたハイブリッド方式
  • 参加費:無料
  • 言語:英語(日本語同時通訳有)

参加申し込み:こちらから

(注)キーウにて対面参加にご関心のある場合は、個別にご連絡ください。

プログラム

  1. 開会挨拶(15分):
    ウクライナ経済省次官
    ウクライナデジタルトランスフォーメーション省次官、
    在ウクライナ特命全権大使
  2. NINJAプログラムの概要(10分):UNIT.City、Ukraine Startup Fund
  3. スタートアップ6社によるピッチ(10分×6社)
  4. 閉会挨拶(10分):JICAウクライナフィールドオフィス主席駐在員

参加企業のご紹介

1.Cardio.AI

遠隔で効率的に医療レベルの心臓診断を提供するAIベースのプラットフォーム装置、心電図結果を提供。通常、心電図(ECG)モニタリングを受けるためには通院や検査及び検査結果取得期間が必要なところ、Cardioが提供する装置とサービスにより遠隔でタイムリーな心電図の結果を専門医に提供し、診断することができる。

2.Djooky

音楽とフィンテックのスタートアップで、世界中のアーティストが投資コミュニティにアクセスすることを可能にし、音楽愛好家や投資家がお気に入りの音楽に投資する機会を提供する音楽投資プラットフォームを提供。下記V-Artと連携し、ウクライナの音楽の知的財産権をオークションにかけて得た資金で、ウクライナの子供たちにメンタルヘルスケアを提供するプロジェクトを実施中。

3.V-Art

NFT、Art、Metaverse、AR/VRを組み合わせたデジタルアート資産のプラットフォームを提供している。具体的にはデジタルアートを経験・体験できる展示会を通じて、NFTマーケットプレイスと知的財産権を組み合わせてデジタル資産を取引・管理している。

4.MISU

自社開発のアプリによって心臓病に関連した兆候等をモニタリング・予測し、事前に注意喚起や医療介入を促す。自社製品の腕時計との併用が最適であるが、Apple watch等でも主要な機能を提供。ロシアによる侵攻後も、ウクライナスタートアップ代表として、フランスやポルトガルの国際イベントに参加。ポーランドの医療機関ともパイロット事業を実施済み。

5.Pleso Therapy

オンラインのメンタルヘルスプラットフォームで患者とセラピストを高度なアルゴリズムを用いてマッチングするサービスを提供。プラットフォームではマッチングの他、アポイントメント管理、決済処理、オンライン治療のサポートなど、診療・治療以外の事務のサポートも行っている。ロシア侵攻後一定期間、ウクライナ避難民に対して無料でサービスを提供。現在はウクライナとポーランドにて事業を展開している。

6.Wantent

AIを用いてビデオコンテンツ等のマーケティングを行うサービスを提供。テストやリサーチとして視聴者のスクリーニングからビデオ視聴者の視線追跡、感情分類、注意分類などを通じたインサイトを取得・分析する。既にアメリカ、欧州、オーストラリアで事業を展開中。

参加企業(Pleso Therapy)からの声

Q1:ウクライナNINJAに応募しようと思った理由は何ですか?

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A:当時、私たちは成長の初期段階にあり、メンターから学び、同じ志を持つスタートアップ企業や投資家、ビジネスパートナーのコミュニティと繋がる機会を求めていたため、応募を決めました。また、アジアではメンタルヘルスケアが大きな課題でありながら、まだ十分なサポートが発展していないことを知り、日本や他の国々で、機密性の高く信頼できるメンタルヘルスサポートを提供する事業に取り組みたいと考えていました。

Q2:これまでのNINJAプログラムはどうでしたか?

A:ロシアの侵攻前、NINJAは私たちにとって、世界の文化に触れることができる限られた機会の一つでした。メンターとの対話や、経験豊富なチームとの共同作業やサポートを通して、私たちのビジネス観を大きく成長させてくれました。

Q3:NINJAプログラム休止期間中はどのように過ごしていましたか?大きな変化や決断はありましたか?

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A:戦争が始まったとき、私たちはまず無料のメンタルヘルスサービスを提供し、戦争で傷ついた人々をサポートすることに注力しましたが、しばらくして事業として再開しました。Googleのウクライナ支援基金やポーランドの政府の基金からの支援を受け、チームの拡大し、ポーランドでのサービスを開始しました。現在は、ウクライナとポーランドで活動し、戦争で被害を受けたウクライナの人々を支援するソーシャルプロジェクトを提供し続けています。

Q4:NINJAプログラムに戻ってきた感想はいかがですか?

A:開始から1年以上経過していますが、深い内容について質問ができ、メンターが喜んで答えてくれるため、私たちにとって素晴らしいプログラムであることに変わりありません。再びこのプログラムの一員になれて嬉しいです。

Q5:日本の投資家、企業、人々からの協力や支援に期待していることはありますか?

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A:最初に、私たちはプログラムとJICAに「本当にありがとう」と言いたいです。戦争が始まったとき、みんなが私たちを応援してくれましたし、私たちに関心を持ち続けてくれました。ヨーロッパに少し焦点を移したとはいえ、将来的に良いタイミングが来れば、日本で事業を行うことも考えています。今日まで素晴らしい時間を過ごすことができ、ピッチイベントで事業を紹介できることを嬉しく思います。

本事業に関する連絡先

国際協力機構(JICA)中東・欧州部 ウクライナ支援室 後藤理沙
メール:Goto.Risa@jica.go.jp