所長あいさつ

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JICAザンビア事務所のホームページへようこそ!

ザンビア共和国は南部アフリカの内陸部に位置し、日本の2倍の国土に70以上の部族からなる1,600万人の人々が、「One Zambia, One Nation」のスローガンのもと平和に暮らしています。

1964年の独立以来長らく経済が低迷していましたが、21世紀に入ってからは好調な銅輸出を背景に急速な経済成長を実現。首都ルサカには巨大なショッピングモールが立ち並び、私が前回赴任していた20年前とはすっかり様変わりしています。ただ、その一方で雇用吸収力の高い産業が育っておらず、人口の6割を占める農村部の生活は当時とほとんど変わっていないように見えます。また、人口流入が進む都市部のコンパウンド(未計画居住地区)では昨年コレラがアウトブレイクし、その劣悪な生活環境が改めて浮き彫りにされることになりました。眩い光と底無しの闇がコントラストをなす大地で人々は懸命に生きています。

JICAは、1970年代初めに協力を開始して以来、農業、保健、教育、水、インフラの各セクターにおいて、「人づくり」を中心に技術協力と資金協力を組み合わせた効果的な支援を行ってきました。例えば、ザンビア大学獣医学部では、1983年の無償資金協力による施設建設・機材供与を皮切りに、累次にわたる技術協力プロジェクトが実施され、現在も北海道大学獣医学部との連携により地球規模課題対応科学技術協力(SATREPS)(注)が実施されています。同学部はこれまでに500名以上の獣医師を輩出するとともに、日本への留学経験を有する多くの研究者が育っています。今やザンビア最大の農業・食品関連企業となったZambeef社の発展の背景には卒業生の活躍がありますし、2014年のエボラ出血熱発生時(国内では症例なし)には国内唯一の検査機関に指定されるなど、同大獣医学部に対する支援は”国際協力の一つの理想形”とも言えるでしょう。

資源輸出の拡大が他の産業育成に負の影響を与える、いわゆる「資源の呪い」。ザンビアにかけられたこの「呪い」をいかに「恩恵」に転ずるか、そのためにどのような支援を行うべきか。現在JICAは前代未聞の「資金不足」に苦しんでいますが、事務所員、専門家、そして70名以上のボランティアが一丸となって、日々試行錯誤しながら業務に取り組んでいます。

当地には、世界三大瀑布として名高いヴィクトリア・フォールや野趣あふれるサファリを楽しめる多くの国立公園があり、また各地で行われる伝統行事も一見の価値があります。

地平線まで広がる青い空と白い雲、緑の大地を渡る風。皆さんも是非ザンビアにお越しいただき、その雄大な自然と心優しい人々との交流をご堪能ください。

それでは当地でお会いするのを楽しみにしております。

”May the wind of Zambia be with you, always.”

2018年5月1日
ザンビア事務所長 花井淳一

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ザンビア大学獣医学部技術協力計画の業務調整員時代。(1997年)

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西部州の伝統行事「クオンボカ祭」。雨期のザンベジ川の水位上昇に伴い、ロジ族の王様が低地から高台の宮殿へと大氾濫原を船団で移動する。(2018年4月)

(注)Science and Technology Research Partnership for Sustainable Developmentの略。JICA と科学技術振興機構(JST)が連携し、地球規模課題の解決に向け日本と開発途上国の研究者が共同で行う研究プロジェクト。