所長あいさつ

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ザンビア共和国は南部アフリカの8ヶ国に囲まれた内陸国です。日本の2倍の国土に70以上の部族からなる1,800万人近い人々が平和に暮らしています。
日本にとってはまだまだ馴染みの薄い国ですが、私にとっては第二のふるさとでもあります。その理由は後ほど記載させていただきます。

ザンビアが当時の宗主国の英国から独立したのは1964年でした。その後、1971年から20年間、社会主義一党体制でしたが、1991年に独立後初めての複数政党制による選挙を実施しました。以来、今年8月に実施された大統領・国会議員選挙を含め、7度の選挙を大きな混乱もなく乗り切り、民主政治が定着しています。温和な性格の人が多いのもこの国の特長です。
独立後は長らく経済が低迷していましたが、1990年代末から続いた国際的な資源価格の上昇を背景に、銅を中心としたザンビア経済は急速な経済成長を達成しました。しかし2011年をピークに国際銅価格は急速に下がり始め、経済は鈍化傾向にあります。また気象変動の影響も甚大です。近年は渇水、また逆に洪水の被害に見舞われるなど、気象変動の影響を大きく受けています。またザンビアでは昨年3月中旬に初めての新型コロナウイルスの感染者が報告されました。その後、三度の波を経験しておりますが、終息する兆しは残念ながら見られません。

JICAは、1970年代初めに協力を開始して以来、農業、保健、教育、水、インフラの各セクターにおいて、「人づくり」を中心に技術協力と資金協力を組み合わせた効果的な支援を行ってきました。例えば、無償資金協力で1983年に完成したザンビア大学附属病院の新生児病棟は、施設及び機材整備、病院従事者の能力強化などの協力を通じ、現在も国内トップの新生児医療を提供する施設として機能しています。また、同時期に同じく無償資金協力による協力が始まったザンビア大学獣医学部でも、これまでに500名以上の獣医師を輩出しています。
また、これらの施設を活用し新型コロナウイルスの検査などが行なわれています。検査で中心的な役割を果たしている研究員は日本の技術を学んだザンビアの人たちです。日本の協力の成果がザンビアのコロナ対策に貢献しています。
さらにザンビアには累計で1,600名以上のJICA海外協力隊が派遣されています。1970年の派遣以降、昨年で初代派遣から50周年を迎えました。彼らの活躍の評価は高く、国民の間でも協力隊員の存在はよく知られています。今から30年以上前のことになりますが、私もここザンビアで協力隊員として活動していました。

新型コロナウイルスの影響で退避していた専門家や協力隊員の人たちも、今年に入って徐々に戻りつつあります。しかし健康、安全は何をおいても優先すべきです。コロナ禍の中、行動内容や範囲に対して厳しい制限が課せられる中、以前と同じようには業務や活動は行えません。
JICA関係者の皆さんには、
「できないことをコロナの所為にしない。コロナ禍でできることを考えてほしい」
と伝えています。
それが新たな協力手法を生み、効率的、効果的な事業の実施、さらにはザンビアの発展とザンビアの人たちの幸せにつながっていくと信じております。

2021年8月
ザンビア事務所長 徳橋和彦