ザンビアにおける新型コロナウイルス感染症対策1

2021年1月18日

ザンビアでは2020年3月中旬の最初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生以降感染者数は全土に広がり、これまで2万人弱が感染、2021年1月現在は1日の感染者数が1000人を超えるなど第二波が到来しており、同国の社会・経済に対する大きな負担となっています。

ザンビア保健省は、同感染症を制御するために、入国者に対する水際対策、PCR検査体制の強化、感染者の収容医療施設の整備、国民に対するマスク着用や手洗いの励行、公開集会の制限、手指消毒用設備の設置などの対応策を発動すると共に感染拡大に係る感染者の追跡調査や疾病データの継続収集・分析を行っています。

JICAはそれらの活動を支援し、ザンビア国内のCOVID-19感染拡大を阻止すべく、日本が現在・過去に実施した感染症関連の技術協力や建設した建物や検査機材の活用、さらには、日本の先進技術の活用などをザンビア保健省と共に検討・実施しています。

JICAはCOVID-19対策として、2020年4月からこれまで、ザンビアのコロナ指定検査機関や病院、州の保健局に個人防護具(N95マスク、医療用ゴーグル、消毒薬等)、2020年12月8日、18日にはPCR検査キットや検査用消耗品を供与しました。

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1980年以来、ザンビアの公衆衛生や感染症対策の向上のため、施設及び機材整備、長期及び短期研修を通じた保健医療従事者の育成、コミュニティにおける基礎的保健サービス強化のための協力を実施してきました。その結果、ザンビア大学教育病院のウイルス検査室、結核検査室、ザンビア大学獣医学部のウイルス研究室等が国内の感染症検査拠点として成長しました。現在、ザンビアのPCR検査に従事する検査員の3分の2は日本の研修を受講しており、ザンビアの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の中核を担っています。

JICAは長年、ザンビアを始めとする南部アフリカ地域で大きな課題となっていたHIV/エイズ、結核、マラリア等の感染症対策を支援してきました。近年では、エボラウイルス感染症のような国境を越えた感染症の流行を受け、ザンビア及びコンゴ民主共和国を対象として共同研究を行うSATREPS(注)「アフリカにおけるウイルス性人獣共通感染症の疫学に関する研究プロジェクト」を、ザンビアにおいてはザンビア大学獣医学部と北海道大学とともに実施中です。また、2020年1月からは、ザンビア国立公衆衛生院に感染症対策の専門家を派遣し、COVID-19含む感染症対策に関連する取組の立案と実施、感染症対策プログラムのレビューなどを行っています。これらの感染症対策が同国のCOVID-19対策の基盤となっています。

(注)地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:SATREPS)

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