ザンビアにおける新型コロナウイルス感染症対策2

2021年1月25日

今回は前回お伝えできなかった、COVID-19対策における面白い取り組みを紹介します。COVID-19のような感染症の蔓延を防ぐには第一に予防が肝要です。世界保健機関(WHO)など様々な国際機関が推奨しているように、各個人の手洗いが感染症防止対策には必要不可欠であることは言うまでもありません。ザンビアの未計画居住区(コンパウンド)のような脆弱地域では上水道が整っている家庭が少ないことや、学校での教育において手洗いがこれまで積極的に励行されていませんでした。このような状況を受けJICAは手洗いの重要性を喚起するプロジェクトとして「手洗いソングを通じたルサカ市内の脆弱地域の子どもたちへの感染拡大防止活動」を2020年10月15日に開始しました。これは一世を風靡したピコ太郎さんのPPAP2020の手洗いソングで、ルサカのコンパウンドの子どもたちに楽しく正しく手を洗うことを知ってもらう活動です。ザンビアの有名コメディアンがPPAP2020に合わせてダンスソングを披露して、子どももそれに合わせて踊るという内容です。メディアを活用して、ザンビア全国に手洗いの習慣を広めていきたいと考えています。

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さらにザンビアでは、インフラ事業と協力したCOVID-19対策も進めています。2020年8月、ザンビア政府とJICAは、新たな技術協力「南北回廊における円滑なOSBP運営管理能力強化プロジェクト」を開始することに合意しました。「ワンストップボーダーポスト(OSBP)」とは、出入国手続きや通関業務を一つの国境施設に統合し、効率化するものです。

国境は多くの人や物資が出入りするため、COVID-19感染者が多く確認されています。ザンビアは8か国と国境を接しているため、国境における感染症対策の強化が重要な課題となっています。そこで、本プロジェクトを通じて、COVID-19の検疫機能の強化のため国境施設職員の育成、国境の出入国者や周辺住民に対する啓発普及活動によるCOVID-19の感染拡大防止のための支援を検討しています。また、本プロジェクトに先立ち、前回お伝えした感染症対策アドバイザーによる国境検疫対策支援を開始し、COVID-19の第二波対策強化に貢献しています。