2022年度1次隊、活動開始!

2022年10月27日

2022年8月10日、2022年度1次隊の新隊員がザンビアに到着しました。約三週間の現地訓練を終え、2022年9月から活動を開始しています。

小野 亘 隊員(青年海外協力隊)、職種:理科教育、配属先:デービッドカウンダSTEM(注)中等学校

(注)STEM(ステム)とは、科学・技術・工学・数学の4つの教育分野の総称で、それぞれの英単語の頭文字をとったものです。

ザンビアの印象

ザンビアの空港に降りたって最初に感じた印象は自分の故郷宮崎の風景に似ているということでした。特に、空の玄関である空港の雰囲気は宮崎のそれと同じでした。空港に留まる機体が少ないせいかだだっ広く閑散とした雰囲気や空港からルサカ市街地への道の両脇に広がる草原。宮崎では広大に広がる田畑ですが、その雰囲気がとても似ていて「この国のことが好きになりそう」と感じました。

ザンビアについては正直、大学院に進学を決めるまで名前も聞いたことのない国でした。また、アフリカへのイメージも不安定な治安や、インフラの整備、特に医療機関の整備についてまだまだ発展途中で、伝染病や犯罪も多いというイメージを持っていました。赴任までザンビアについてたくさん調べましたが、その不安は正直大きくなる一方でした。しかし、最初に僕を迎えてくれたのは、どこか故郷に似た雰囲気の光景で、インターネットを通して見ていた景色は広大な草原だったので、少し驚きました。もちろん広大な草原が広がっているのですが、インターネットを通して見るのとはやはり感じ方が違いました。空の薄い水色、草原に生える金色の植物は、宮崎の空、宮崎の田畑の風景に重ねてしまうほどでした。

私自身、アフリカへの渡航は初めてで、様々な期待を持ちつつも、たくさんの不安を持っていました。一人暮らしも2年目。仕事はザンビアでデビュー。不安要素に目を向ければたくさん見つかります。しかし、右も左も分からない私に、同僚の方や近所の方々はみんな「Mr. Ono」とたくさん私の名前を呼んで助けてくれます。

ザンビアの二つ目の印象は、ザンビアの人々は、ザンビアの気候と同じぐらい温かいということでした。ザンビアへ来て2ヶ月経ち、私の協力隊活動は現地の人々を含め、すでにたくさんの人々に支えられています。皆さんへの感謝の気持ちを胸に、それを原動力に変え、皆さんの役に立てるように考え、元気いっぱい活動していけるように頑張っていきたいです。

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ティーチャーズデイに先生方と一緒に

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2年間お世話になる私の学び舎

応募動機

私の協力隊の参加動機は、すごくシンプルなもので「日本の社会に出る前に途上国をこの目で見たい」というものでした。私の夢は、日本で教壇にたち多くの子どもに学びを届けること。そして、その楽しさを見つける手助けをすることでした。しかし、大学で日本の教育を学んでいくうちに、いつしか海外の研究に目を向けるようになりました。日本で子供達により良い授業を届けるために、海外の実践や研究を漁る中で、途上国での実践研究を多く目にしました。その中には、途上国における子どもや教師、家族の実態だけでなく、生活の実態などの情報も多くあり、私の関心は次第に途上国へと移っていきました。というのも大学の卒業が近づき就職活動の時期になり、「私の必要性」についてすごく考えており、その中で「私の必要性は途上国にあるかもしれない」と思うようになったためです。特に、教師として子どもに学びを届け、その楽しさを見つける手助けをするにあたり、日本と途上国の違いのなかで私が問題視したのは途上国の先生たちのバックグラウンドでした。

日本では多くの場合、大学を卒業し教員免許状を取得し、採用試験を突破された先生方が教壇に立たれています。しかし、この基準は全ての国や地域に当てはまることではないということを知り、日本はその点では充実しているため、そのような地域で教員生活を送ることに少しでも興味を持った自分はそれだけでもこの分野に私の必要性があるのではないかと思いました。しかし、海外で活動をしたことがない私にとって、それもまだ想像でしかありませんでした。さらには、論文やインターネット記事等での情報と私の机上の論ですので、自分のニーズを確かめるには情報も十分とは言えませんでした。そのため、この挑戦は私にとって大きな自分探しの旅とも言えるかもしれません。

今後海外で教員生活を送るにしても、日本で教員生活を送るにしても、ここでの知見は自分にとってすごく大きな変化を、そして成長を促してくれると思います。なので、日本にそして世界に何か些細なことでも還元できるように日々の活動・生活に邁進していきたいと思います。

要請内容と抱負

私の配属先は、首都ルサカにあるデービッドカウンダSTEM中等学校で、名前にあるように、STEM教育推進校です。学生の学力向上を目指す中で、理論偏重の傾向があり、学生の思考力や主体性を育てるために、実験や副教材等の活用した教授法の実践が期待されています。授業の様子も要請内容にあるように基本的に教授中心の授業が目立ちますが、先生の中には積極的に観察・実験を取り入れている方も少なくはないので、そんな先生方と一緒にザンビアにおけるザンビアの理科観察・実験を一緒に考えていきたいと思います。理科の授業で取り入れられる科学的な思考を通して、子どもたちに理科の面白さや重要性について実感してもらえるようにサポートしていきたいです。また、理科の良さを引き出す授業ができるよう、デービッドカウンダSTEM中等学校の先生方と子どもたちと一緒に考えていきたいです。

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生徒たちとの実験の様子

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早く子どもたちの名前を覚えたくて