日本型品質管理手法による医療セクターにかかる質向上

プロジェクト名

(和)日本型品質管理手法による医療セクターにかかる質向上
(英)Quality Improvement in Health Sector through 5S-Kaizen-TQM method

対象国名

ジンバブエ共和国

プロジェクトサイト

中央病院:Harare Central Hospital(ハラレ市)、Parirenyatwa Hospital(ハラレ市)、Mpillo Central Hospital(ブラワヨ市)、United Bulawayo Hospital(ブラワヨ市)
州病院:Bindura(マショナランドセントラル州)、Marondera(マショナランドイースト州)、Mutare(マニカランド州)、Masvingo(マシンゴ州)、 Gweru(ミッドランド州)、Gwanda(マタベレランドサウス州)、Chinhoyi(マショナランドウエスト州)
地区病院: Kadoma General Hospital(マショナランドウエスト州)

協力期間

2019年10月~2021年10月

相手国実施機関

(和)保健・児童ケア省
(英)Ministry of Health and Child Care(MOHCC)

背景

当該国における保健医療セクターの現状と課題

ジンバブエ共和国(以下、「ジンバブエ」)では、同政府が策定した2016~2020年の「National Health Strategy」においてさらなる医療サービスの質の向上を掲げている。近年の同国の平均寿命や五歳未満児死亡率は、それぞれ61歳と36.5/出生1,000人となっており(世界銀行 2017)、改善が進んでいるものの、いまだに劣悪な状況にある。また、2000年以降の経済状況の悪化は人材流出や物資不足、医療従事者のストライキ頻発など、医療サービスの安定的な提供にも大きな影響を及ぼしている。

JICAは、これまでジンバブエ政府の要請を受けて保健・児童ケア省及び基幹病院の職員を、日本やエジプト、タンザニアで開催された保健分野の5S、KAIZENに関する技術研修に派遣し、また、他国の同分野で豊富な経験を積んだ政府職員をジンバブエに講師として招聘し指導を受ける機会を設ける等、日本の産業界から発展した品質管理手法である5S活動の病院への導入支援を行ってきた。2016年度からは個別専門家(「5S-KAIZEN-TQM 手法による医療サービス質向上」)を派遣し、パイロット10病院における5S導入に取り組み、一部病院では自律的に5S活動の実践が行えるようになる等の成果をあげた。これらの活動と、世界20か国以上に普及されている5S-KAIZEN-TQM手法(注)の有効性を評価したジンバブエ政府は、こうした活動をさらに広げ、定着させるとともに、新たにKAIZENの普及・定着も見据えた支援を我が国に要請した。同手法の普及により、医療施設の組織体制の強化やサービスの質を重視する組織文化の醸成につながることが期待される。

(注)日本の産業界から発展した品質管理手法である5S、KAIZEN、TQM(Total Quality Management)は、サービスの質向上を達成するための有効な手段の一つ。5SはKAIZENの一手法とされている。

プロジェクト目標

上位目標

ジンバブエ国内における普及可能な5S-KAIZENの体制が構築される。

プロジェクト目標

パイロットサイトにおいて医療サービス向上に資する5S-KAIZENプログラムが強化される。

成果

成果1:中央及び自治体(州)における5S-KAIZENの体制が強化される。
成果2:5S-KAIZENに関する教材(ハンドブック/ポケットガイド、ガイドライン等)が策定される。
成果3:パイロット病院における人材の能力が向上する。
成果4:5S-KAIZENプログラムにかかる好事例が関係者に共有される。

活動

成果1:

1-1:カウンターパート(C/P)からニーズ及び課題を収集し、分析する。
1-2:1-1の分析内容をもとに、中央及び自治体の保健人材に対する研修を立案・実施する。

成果2:

2-1:既往案件で作成された教材等を精査する。
2-2:C/Pからニーズを収集・分析する。
2-3:分析された内容を反映の上、教材(ハンドブック/ポケットガイド、ガイドライン等)を策定する。

成果3:

3-1:保健・児童ケア省及び中央関係者に対する、マネジメント研修、リフレッシャー研修を実施する。
3-2:パイロット病院におけるKAIZEN研修、ワークショップを実施する。

成果4:

4-1:5S-KAIZENにかかる好事例(知見)を収集・整理する。
4-2:5S-KAIZENにかかる好事例(知見)の共有ワークショップを開催する。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣1名

相手国側投入

  • カウンターパート人員の配置(保健省品質管理向上局、中央・州病院など)
  • 案件実施のためのサービスや、施設、現地経費の提供、専門家の執務スペースの提供等

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