「平成16年度年間事業評価書」の公表について(平成17年10月)

国際協力銀行(総裁:篠沢恭助)は、今般、「業務運営評価制度」に基づく「平成16年度年間事業評価書」を、同評価に係る外部有識者委員会(座長:高木勇三 日本公認会計士協会常務理事)の意見書と共に公表しました。その概要等は以下の通りです。

1.国際協力銀行では、「業務運営評価制度」に基づき、中期的な課題を設定した「業務戦略」や、それを各年度の活動として具体化した「年間事業計画」を作成し、その評価を行っています。今回公表する年間事業評価書は、「平成16年度年間事業計画」(平成16年3月策定)の実施状況を評価したものです。

評価書の概要
  • 平成16年度には、資源・エネルギー需給の逼迫・価格高騰、スマトラ沖大地震・インド洋津波災害の発生、地球温暖化防止に向けた京都議定書発効といった様々な出来事がありました。こうした中、我が国にとっての資源・エネルギーの確保や、地球規模問題への対応が一層重要な政策課題となり、他方で国際金融秩序の安定、開発途上国の貧困、紛争への対応や、グローバルな経済活動支援等が引き続き、我が国や国際社会の重要課題でありました。
  • 当行は、これら内外の経済社会情勢に対応して、例えば、アゼルバイジャンの油田開発案件、インドネシア、スリランカ等での災害復興支援に向けた緊急ニーズ調査(本調査を踏まえ、平成17年6月にスリランカへの災害復興支援を実施)、京都議定書における我が国の温室効果ガス削減目標達成への寄与が期待される温暖化ガス削減基金設立・運営、アジア債券市場育成イニシアティブに基づくタイバーツ建て社債等への保証案件、世界最大の貧困人口を抱えるインドの貧困対策案件への支援等を行いました。本評価書では、こうした取り組みを、全行的な事業・財務・組織能力に関する「基本業務分野」及び当行業務を国民に対する成果の視点から括り直した6つの「事業分野」(注)における33の課題の下で体系的に整理して、「A」「B」「C」の3段階による評価を行いました。

    (注)国際金融秩序安定への貢献、開発途上国の経済社会開発支援、我が国の資源の安定確保、我が国の資本・技術集約型輸出の支援、我が国産業の国際的事業展開の支援、開発途上国の地球規模問題への対応支援

  • 本評価の結果としては、22の課題で「A」(適切な取り組みがなされている)、11の課題で「B」(概ね適切な取り組みがなされている)、「C」(取り組み状況を踏まえた新たな対応策が必要)は該当なし、となりました。評価にあたっては、今後の業務の改善策等を提示するよう心がけ、例えば、開発途上国の経済社会開発支援でのNGO等との連携や、資源・エネルギーの安定確保に向けた取り組み強化などに今後一層努める必要があることを指摘しています。
例年からの改善点
  • 序文(「はじめに」)を刷新し、評価の総括的記述を試みました。
  • 「事例紹介」の囲み記事を追加し、参考情報を拡充しました。
    (評価対象とした個別案件、知的協力等の実績の中から一例を挙げて背景・内容等を説明)
  • 読みやすさ、分かりやすさの向上に努めました。
    (評価結果の記載要領を明示、指標等のナンバリングにより本文との対応関係を明確化、等)
  • 評価実施にあたっての背景説明を拡充しました。
    (業務運営評価制度の全体像、年間事業評価の位置付けについての説明等)

なお、本評価は平成14年3月に策定した「業務戦略」の下での最終年度の評価にあたりますが、平成17年度以降については、業務戦略評価(平成17年2月実施)の結果等を踏まえて業務戦略を改定(同年3月)し、それに基づき業務に取り組んでいます。

2.本評価書の作成に際しては、類似の評価制度・手法に関する知見、国民あるいは当行融資等の利用者の視点を有する第三者による前述の外部有識者委員会にて、評価手法の検討を行っています。上記意見書は、評価手法とこれに基づく評価結果の妥当性、および評価制度の運用改善に向けた委員会の意見を取りまとめたものです。

3.当行としては、今後とも制度運用の改善に取り組み、評価の質の向上に努める所存です。また、評価結果を国民の皆様に公表・発信することにより業務運営の透明性を高めると共に、評価結果から得られた教訓を今後の業務に反映し、自律的な改善に基づく効果的・効率的な業務運営に努めてまいります。

ご意見、ご質問について

本評価書に対する皆様のご意見、ご質問等はhyokaseido@jbic.go.jp迄お寄せ下さい。