アマゾンの森林における炭素動態の広域評価

(日)アマゾンの森林における炭素動態の広域評価
(英)Carbon Dynamics of Amazonian Forests(CADAF)
(葡)Dinâmica de Carbono na Floresta Amazônica(CADAF)

  • スキーム:科学技術協力(SATREPS:地球規模課題対応国際科学技術協力)
  • 実施機関:国立アマゾン研究所(INPA)、国立宇宙研究所(INPE)
  • 日本側協力機関:森林総合研究所、東京大学、リモート・センシング技術センター
  • 対象地域:アマゾナス州
  • 実施期間:2011年5月~2015年5月(4年間)

背景

アマゾン熱帯林は世界最大の広さを持ち、そのうちの60%がブラジルに位置する。世界の温室効果ガス放出量の約20%は熱帯林の消失に起因するともいわれており、急激な森林減少が進むアマゾン熱帯林保全は、気候変動対策の観点から、世界的に重要な課題となっている。ブラジルにおいては、衛星等を用いた森林モニタリングシステムが複数構築され、収集された情報は森林保全のために活用されている。他方、森林保全による気候変動の緩和効果を最大限引き出すためには、森林がもたらす大気中の二酸化炭素量への影響を評価し、この結果を森林保全活動に反映させることが必要となっていた。しかしながら、アマゾン熱帯林は広大な面積を有しており、アマゾン全体の二酸化炭素動態の定量的な評価については、技術的な課題があった。

わが国は、プロジェクト方式技術協力「ブラジル・アマゾン森林研究計画フェーズI(1995年6月~1998年9月)」及び「ブラジル・アマゾン森林研究計画フェーズII(1998年10月~2003年9月)」において、アマゾン地域の林学・生態学分野の研究を担う国立アマゾン研究所(INPA)に対する技術移転を行っており、アマゾン地域の森林モニタリングについては両国の共同研究の体制が整備されている。わが国研究機関がINPAと共同して更なるフィールドでの調査により性質の異なる林分毎の炭素動態を解明するとともに、高度なリモートセンシング技術を有するブラジル国立宇宙研究所(INPE)と共同で炭素動態を、レーダーリモートセンシング手法を用いて広域衛星データへスケールアップする技術を開発することにより、広域な森林の炭素動態の評価技術の開発が期待できる。

実績

プロジェクト目標

ブラジル・アマゾンの森林の炭素動態の広域評価技術が開発される。

期待される成果

  1. 中央アマゾンの炭素蓄積量の動態を把握するための、継続的な森林インベントリー(CFI)システムが構築される。
  2. 中央アマゾンの原生林及び択伐林において、林分タイプと炭素蓄積量の動態の関係が明らかになる。
  3. CFI システムや、リモートセンシング技術と衛星画像を利用して、ブラジル・アマゾンの炭素蓄積量の動態を表すマップが作成される。
  4. 成果 1から3で開発された技術及び得られた情報がREDD+や環境保全を含む気候変動問題関連の諸機関に共有される。

活動

  1. CFI インベントリシステムの開発
  2. ブラジル・アマゾンの炭素蓄積量推定のための解析手法の開発
  3. ブラジル・アマゾンの炭素蓄積量マップの作成
  4. 研究成果の共有

関連するプロジェクト

調査報告書

関連リンク

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