地域有識者懇談会

「地域有識者懇談会」(第13回会合)開催概要

1.日時

2018年9月28日(金)16:00~18:00

2.場所

JICA中部セミナールームA1-2

3.出席者

委員出席者(50音順):

  • 空木マイカ委員
  • 小笠原剛委員
  • 小川正樹委員
  • 中島隆宏委員
  • 原田さとみ委員
  • 山田雅雄委員
  • 渡辺芳人委員

JICA出席者:
企画部参事役 小田亜紀子、中部センター所長 阪倉章治、同次長 木下康光、同連携推進課長 内島光孝、同課連携推進アドバイザー 小川登志夫、同課主任調査役 青木信彦

4.議事概要

以下(1)から(4)の議題について報告があり、意見交換が行われた。発表、コメントと質疑の概要は以下のとおり。

(1)30年度上半期JICA中部の主な活動報告/JICA中部 阪倉章治

発表要旨
  • 上半期の主な活動報告(JICA開発大学院スキームの紹介、民間連携事業の新規採択状況、ボランティア事業の制度変更、映画「コードブルー」と国際緊急援助隊の連動写真パネル展、JICA中部の協力団体「IF(アイエフ)の会」の紹介を行った。
コメント/質疑
  • (コメント)「コードブルー」と国際緊急援助隊の連動写真パネル展は大変斬新で良い企画である。従来はあまり見かけなかった若い女性等新しい来場者層で体験ゾーンが賑わっている様子に感心した。時代に合った良い企画展と思う。
  • (質問)JICA開発大学院プログラムは開始されているのか。
  • (回答)試行的に政策研究大学院大学で開始しているが、本格的なスタートはまさにこの10月からとなる。
  • (質問)JICAの長期研修員以外も受講できるか。
  • (回答)受講できる仕組みである。
  • (質問)大学院プログラム修了者は日本に就職するのか。
  • (回答)本国に帰国し、留学の成果を自国の開発に活かし貢献してもらうことを想定しているが、日本で就職することを妨げるものではない。

(2)SDGsとJICAの取り組み/JICA企画部 小田亜紀子

発表要旨
  • 2015年9月に国連持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、ビジネスで国内外の課題解決に取り組む動きが加速している。
  • JICAのビジョンとSDGsは高い親和性がある。途上国のSDGs達成にはパートナーシップとイノベーションが必須である。
  • SDGsは多様なパートナーをつなぐ共通言語。JICAも地方のパートナー間・途上国と地方をつなぎ広げる役割を担っていきたい。
コメント/質疑
  • (コメント)SDGsゴール6「安全な水とトイレを世界中に」の評価指標が「水へのアクセス」であるが、「アクセスできたとしてもそれが安全な水か?」ということが度々、指摘される重要な問題である。
  • (コメント)SDGsの現状評価で日本が15位であることについて、途上国の貧困と先進国の貧困が同じ評価となるのは、一般人から見ると違和感がある。
  • (質問)SDGsの現状評価は、国内の状況への評価か、海外での取り組み結果への評価か。
  • (回答)国内の取組み、海外での取り組みを含めた全体の状況の評価である。

(3)名古屋NGOセンターの最近の動き/中島隆宏委員

発表要旨
  • 今年6月から名古屋NGOセンター(NANGOC)の代表理事になった。NANGOCの対象県は東海三県で、47のNPOと国際協力NGOが加盟しており、個人会員は110人である。
  • NGOは予算の制約もあり、平等よりも公正な社会の実現を目指しており、SDGsの「誰も取り残さない」社会を作るという目標と合致している。
  • 活動は、ネットワーキング、国際理解教育等多岐にわたる。JICA中部との「協力ハンドブック」の作成や、伊勢志摩サミット時には市民サミット会議を並行開催し、SDGsのテーマに基づきG7の政府、市民に向けた提言の提出も行った。その成果として、東海市民社会ネットワークが設立された。
  • 海外では、NPOもNGOと同じ組織として捉えられる。最近ではCSO(Civil Society Organization)とも呼ばれるようになった。
コメント/質疑
  • (質問)JICAは大きな船、NGOは小さな船の集まりという例えがあったが、NGOは船頭が多く、方向性の統一感が取りづらいという印象があるが如何。
  • (回答)NGOの関心事項は組織によって多様であり、連携も緩やかなネットワークなので、統一感を出すことが難しいことは事実だが、NANGOCではステファニ憲章を作成し、それに賛同する団体が集まり、方向性を合わせる努力をしている。また、SDGsが一つの方向性をつける役割を果たしてきている。

(4)大学の経営統合/渡辺芳人委員

発表要旨
  • 日本の大学は、国際競争の環境下に置かれており、大変厳しい経営状況に置かれている。また、日本の固有の問題として少子化もあるが、大学経営は、人口減と国からの予算削減に呼応してスリム化すればよい、という表層的な議論にすべきではなく、将来への投資であるという点を意識して取り組むことが必要。
  • 東海地域は、国内の大きな経済・産業の集積地であり、域内の大学は多くの人材を供給してきた。AIの進化に伴い、産業構造や地域の社会のあり方が一変する可能性もあり、大学は連携・統合による戦略的な機能強化により、地域の人材育成や研究開発に貢献していくことが求められる。
  • 現在の大学教育は「19世紀の建物で、20世紀の教育を受けた教員が、21世紀の子供たちを教えている」と言われる。時代の変わり目である現在において、例えば、一部の講義については、人工知能(AI)をより一層、活用する方向に変わっていくだろう。
コメント/質疑
  • (コメント)世界から優秀な学生が集まる大学を目指すべきである。大学のレベル向上があり、優秀な人材が地域に輩出されることによって、地域の社会・経済の発展が成り立つ。産業界としてもその流れを歓迎し、協力したい。
  • (コメント)名古屋大と岐阜大の経営統合については、名古屋駅周辺に両大学の共通の校舎を作ってはどうか。
  • (質問)教育が21世紀型になっていくことの懸念を感じる。若い人一人一人の生きる力が弱くなっていると感じることもある。
  • (回答)全てのプログラムをAIで行うということではなく、教科書を読むような教え込み型の授業は、AI化が可能と考える。一方で、研究のように学生とFace to Faceで行うべきところは継続していき、教員とリソースをそうした分野に集中していくことが重要という考えである

以上

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