「日本がミャンマーの未来を創っている!」

【写真】髙畠美保さん 静岡県浜松市出身、在住浜松市教育委員会 指導課 教育総合支援センター 外国人支援グループ
髙畠美保さん 静岡県浜松市出身、在住

■写真:髙畠美保さん
(外国人保護者主催のイベントで。みんな仮装して参加しました。)

今回は2019年度教師海外研修(教育行政コース)に参加された、浜松市教育委員会の髙畠美保さんにお話を伺います。 (聞き手:JICA中部 連携推進課) 

はじめに、自己紹介をお願いします。

日本語ボランティア養成講座の様子。外国人支援を考えている方たちへの講座です。

小学校教諭として採用されたあと、2000年から2年間、青年海外協力隊として中米のホンジュラスで活動しました。その経験を生かし、帰国後は浜松市の小学校で外国人指導にあたっています。PTA外国人部がある学校も多く、外国人保護者がバザーの時に自国の食べ物を提供してくれたり、サンバカーニバルやハロウィンパーティーなど楽しいイベントを開催してくれたりして、とても楽しかった思い出があります。
2018年より浜松市教育委員会 教育総合支援センターの外国人支援グループで、外国人児童生徒の就学や日本語指導の支援にかかわる業務を行っています。

教師海外研修(教育行政コース)に応募したきっかけは何ですか?

ミャンマーの現地校にて。
一緒に参加した先生方と一緒に。

今、浜松市には多くの外国人児童生徒が在籍しています。今まではブラジルやペルーからの編入が多かったのですが、最近はフィリピンやベトナムなどアジアからの編入が増えています。今回ミャンマー研修に応募したきっかけは、アジアの国々を理解し、国際理解教育の必要性や受け入れの重要性について、改めて伝えたいと思ったからです。また、浜松市に多く在籍している外国人児童生徒の就学や指導、今後の支援についても参考にしたいと考えました。
 実はもう1つ理由があります。大学の時の学長がアウンサンスーチー氏と交流があり、私たち学生にこのような話をしました。「スーチー氏が軟禁され、とても心を痛めている。皆も、ミャンマーという国が今後どのように変わっていくか、しっかり見ていてほしい。」と。民主化した今、「どうしても自分の目で、ミャンマーという国を確かめたい」という思いもあり、今回応募しました。

研修で印象に残った事はありますか?

新しい教科書を使った授業。子供たちの目が輝いていました。

ミャンマーの教育改革を担うべく、日本が行っている国際貢献の現場を視察しました。考える力、表現する力を育てるために、教科書や教師用指導書を新しく作成している現場です。1から作り上げることがどれほど大変か、そして、新システムが現場で浸透するためにどれほどの労力がいるか。想像もつかないほど困難な作業だと思います。しかし、それに答えるかのように現地の教員が「国を変えていく!」という情熱をもって指導をしていたことに、とても感動しました。「日本がミャンマーの未来(子供の未来、国の未来)を創っている」ということを、ぜひ知ってもらいたいです。

最後に、今後の展望について教えてください。

まず、外国人を受け入れる学校や指導に当たる教員、支援を行うサポーター等への国際理解教育が重要だと感じます。浜松市は、在住する外国人を「浜松を支える重要なパートナー」と位置づけ、SDGsを推進しています。そのためにJICAの人材を上手に生かし、現場で活用できるような取り組みをしていきたいと考えています。地域の実態を生かした指導や学校の立場に立った支援、そして浜松市の考え方に沿った施策等を、今後考えていきたいと思っています。