展示連動イベント「栄養って大切!」を開催しました。

2021年12月17日

今こそ栄養を考える

たくさんの方が集まってくれました

12月7・8日に「東京栄養サミット2021」が行われました。JICA中部なごや地球ひろばでは、企画展・パネル展「セカイ+栄養展」の連動イベントとして、ゲームを通して世界の栄養問題について学ぶイベントを開催しました。

イベントには、親子で栄養について学びに来た方、進路のヒントを探しに来た方、栄養分野を専門としている方、国際協力に関心がある方などが集まってくれました!

みんな真剣!買い物ゲームにチャレンジ

栄養満点の買い物を目指して!

みなさんは「栄養不良」と聞いてどのようなことを思い浮かべますか?
十分に食べられず、栄養が不足している人を思い浮かべるかもしれません。そのような飢餓の状態にある人は、世界に8億人います。反対に、栄養を摂りすぎていたり、偏っていたりする人は、世界に20億人います。実はこの「摂りすぎ」や「偏っている」というのも栄養不良です。世界にはなぜこんな栄養の偏りがあるのでしょうか。

イベント前半は、JICAの栄養ワークショップ教材「買い物ゲーム」を体験しながら、世界にある「栄養の偏り」について考えました。

このゲームで参加者は、それぞれ異なる所得の範囲内で自分の好きな食べものを買います。その後、どれだけ栄養バランスがとれた買い物ができたかを振り返りながら、自分を含め世界中の人びとがより良い食生活を送るために必要なことを考え、栄養バランスの大切さを学びます。

体験後にはグループ内で感想をシェアしていただき、「栄養を考えて食品を選ぶのって難しい!」「所得が決まっているとつらい・・・」「いつもの買い物と同じ感覚でゲームをしたけど、バランスよく栄養が摂れていなかったんだ」など、十分な栄養を摂ることがいかに大変か実感しました。

実際の協力現場の様子を教えて香西さん!

ザンビアで仕立てた衣装で登場!

イベント後半は、JICA海外協力隊としてアフリカ・ザンビアで国際協力活動をした香西はなさんから、現地での活動についてお話しいただきました。

香西さんは、栄養士隊員としてザンビアの首都ルサカにあるWFP(国際連合世界食糧計画)に派遣されました。ザンビアでは、子どもの栄養不良が大きな課題。特に発育阻害といって、年齢に対して身長が低い子どもが多いことが深刻です。腕周りの太さを測ることで栄養不良の子どもを見つける「命のメジャー」も見せていただきました。その他にもビタミンAやヨウ素が不足する微量栄養素欠乏や、生活習慣病にかかる人も多いそうです。

香西さんはこういったザンビアの人びとが抱える栄養の課題に対して、紙しばいを使った栄養教室や、バランスよく栄養が摂れるメニューを提案する調理実習、高血圧予防の教材を作り啓発活動などを行いました。現地の学校や、同僚のお宅、村の様子など貴重な写真をたくさん見せてくださり、ザンビアの人びとの生活をリアルに知ることができました。

栄養不良の解決にはみんなの力が必要

香西さんへ質問タイムも大盛り上がり

香西さんは当時を振り返り、「私が学んできた栄養の知識だけでは、開発途上国の栄養不良の改善は難しかったです。なぜならその背景には、お金がない、食料へのアクセスができないなど、栄養分野だけのアプローチで解決できない問題もあるからです。だから現地の人たちや、他の専門知識を持つJICA海外協力隊と一緒に活動をしてきました。」とおっしゃっていました。

2年間のザンビアでの生活を終えて日本に帰国したときは、明るく電気が灯るコンビニがキラキラと輝いて見えたそうです。食品を選ぶことができる、味を選ぶことができる、食べることの楽しさを感じる日本の良さを実感したと話してくれました。

さて、いよいよ次回のイベントが2021年最後のイベントとなります!12月25・26日には、冬休み特別企画 SDGsを知る「なごや地球ひろば探検ツアー」を開催します!冬休みもぜひなごや地球ひろばへ遊びにきてくださいね。