【出前講座レポート】多様な文化を知ることから、自国の文化を考えよう-神石インターナショナルスクール-

2023年2月17日

水運び体験から想う、ネパールで暮らす人々

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まっすぐ運ぶことに苦戦した水運び体験

2023年1月17日(火)、JICA海外協力隊としてネパールで活動してきた橋本良さんとアフガニスタンからの留学生が、神石インターナショナルスクールを訪問し、3年生から6年生の生徒27名にそれぞれの国の文化について紹介しました。
はじめは、橋本さんからのネパール紹介です。「実はネパールには日本と同じように温泉がある」「ネパールでは牛は神様だから、牛が原因で交通渋滞が起こる」「ネパールの人たちは踊ることが大好き」など、写真や動画を交えた説明に驚く生徒のみなさん。橋本さんは、現在神石高原町に事務所を構える特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンで、生活用水を人々に届ける活動を担当しているため、まだ水ガメで生活用水を確保している地域や、そのために学校に行けない子どもたちのお話もありました。実際に水運び体験をした生徒は、まっすぐこぼさないよう水を運ぶことに苦戦していました。

食や風景から想像する、色鮮やかなアフガニスタン

留学生からは、たくさんの動画や写真を見せながらアフガニスタンの文化紹介をしました。国民的歌手、凧を飛ばすお祭り、美しい風景、市場に並ぶ鮮やかな果物や春に咲く美しい花。特に各家庭で作られる伝統料理の紹介では、「美味しそう」「お腹空いてきた」と声を漏らす生徒もいました。また、制服を着るときは、女の子は白いスカーフと黒いスカート、男の子は青い制服を着る等、自分たちと同世代の子どもたちの紹介もありました。
英語でのプレゼンテーションでしたが、普段英語で授業を受けている生徒のみなさんは、留学生の問いかけに手を挙げて答えるなど、興味深く話を聞いていました。

疑問に感じたことを率直に聞くことが大切

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橋本さんの問いかけに、手を挙げる生徒のみなさん

最後に生徒からの質問の時間です。「ネパールやアフガニスタンではなぜ手で食べるのか」という質問から、それぞれの地域で過去から現在まで受け継がれてきた慣習、大切にしている価値観に話がつながっていきました。でも、講師からの「じゃあなぜ日本は箸で食べるの?」という質問に答えるのは難しく、異なる文化の話から、当たり前となっている自分たちの文化について考える機会になったようです。また「なぜアフガニスタンでは女性は髪の毛を隠さないといけないのか」と、自分が疑問に感じたことを率直に質問する生徒の様子が印象的でした。
今回の講座のテーマは“多様性を知ること”。分からない、知らないことをそのままにしておくと、もしかするとますます距離が出来てしまうのかもしれない、そんなことを感じた講座でした。
先生方、生徒のみなさん、ありがとうございました!