長期研修員(バヌアツ共和国)インタビュー

2020年7月22日

太平洋島嶼国リーダー教育支援プログラム (Pacific-LEADS)で岡山大学に3月末まで在籍されていたバヌアツ共和国出身のWONG Alexanderさんに、日本での生活を振り返っていただきながら、バヌアツ共和国について教えていただきました。

ご自身とバヌアツ共和国について教えてください。

名前:WONG Alexander
国籍:バヌアツ共和国
大学:岡山大学大学院環境生命科学研究科
専攻:生物生産科学 
日本滞在期間:3年

研究のため大学の畑にて。一人での作業が多かったですし、大変でした。

こんにちは、アレクサンダーです。
来日前は、高等学校で農学と生物学・聖書の教師、副校長として勤めた後、政府の農務省で勤務していました。
バヌアツ共和国は、南太平洋のフィジーとオーストラリアの間に位置しており、83の島と120以上の言語があります。公用語は英語、フランス語、ビスラマ語です。人口は50万人未満で、キリスト教徒が多い国です。
熱帯気候で、たくさんの熱帯作物が栽培されています。首都のポートビラの人口は10万人未満です。

(帰国後は何をされるご予定ですか?)
岡山大学大学院では、「暖地二期作バレイショの多収栽培」について研究しました。研究を活かし、帰国後はバヌアツ共和国政府の農務省で働きます。

好きな日本食とバヌアツ共和国の伝統料理を教えてください。

日本食では、広島風お好み焼き、うどん、寿司が好きです。
宗教上、豚肉が食べられないので、食べられないものもありましたが、様々な日本食に挑戦しました。
バヌアツ共和国では、それぞれの島に伝統料理があります。私は南部にあるTanna島出身です。Nallot、LapLap、Simboro、Punyaという伝統料理があります。
LapLapという料理は、地面に穴を掘って、熱した石を置き、その上にバナナの葉で包んだ食材を置いて、土で埋めて蒸し焼きにしたものです。味付けは塩だけだったと思います。包む食材は何でもよいです。肉や魚、バナナやヤムを包みます。
また、Simboroという料理は、バナナの葉ではなくキャベツを使って包んだものです。鍋で調理するのでLapLapよりも簡単に作れます。

日本の好きな文化、また、バヌアツ共和国と共通する文化があれば教えてください。

日本各地の路面で行われるお祭りのパフォーマンスを見るのが大好きです。特に11月の秋祭りで見た神輿はとても印象的でした。何万人もの人々が訪れるという京都祇園祭にも行きました。
もう1つはRESPECTです。
日本も地域によって文化が違うように、バヌアツ共和国も島々で違う文化があます。互いに尊重(RESPECT)しあっている点は日本と共通していると思います。

日本での印象的な出来事を教えてください。

私は、2018年7月には西日本豪雨で大きな土砂崩れに直面し、また同年9月に札幌で開催されたカンファレンスに教授と行った際に、北海道胆振東部地震に見舞われました。岡山と札幌とで、避難所で過ごす経験を二度しました。
私は日本であらゆる状況を体験し、被災経験は私をさらに強してくれました。

(バヌアツ共和国ではどのような自然災害がありますか?)
バヌアツ共和国では特に11月から4月にかけてサイクロンが多く発生し、サイクロンが発生するたびに多くの建物が吹き飛ばされます。倒壊と再建を繰り返しています。
私たちの国が財政的に豊かになれば、サイクロンに耐えることができる強い建物を持つことができます。

日本での楽しみは何でしたか?

岡山の半田山植物園

東京タワー

桜や公園、庭園の美しさを鑑賞すること。新幹線に乗って日本各地を訪れることです。

日本の皆様にメッセージをお願いします。

卒業式

日本に留学する機会を与えてくれたJICA、日本政府、日本の皆様に感謝しています。 私が日本で勉強できたことは、日本の皆様のお陰です。できることならば、安倍首相とお会いして、バヌアツ共和国政府を代表して、日本によるバヌアツ共和国の国民の生活向上への貢献とその継続的な支援に感謝を申し上げたいです。 日本とバヌアツ共和国との継続的な友好関係に感謝しています。
改めて、私が日本で母国の発展に寄与することができる学びの経験ができたこと、それを支えてくれたJICAに感謝申し上げます。Doomo arrigato gozaimasu