【施設訪問】呉港高等学校 -入学して初めての校外学習はJICA中国!-

2020年12月25日

コロナ禍でも大切な学校行事

2020年12月9日(水)、呉港高等学校特進コース1年生の皆さんがJICA中国に来てくれました。
この日は生徒や先生だけでなく、JICA中国スタッフにとっても待ちに待った日でした。

今年度はコロナの影響もあり、施設訪問の中止や日程変更をせざるを得なかった学校が多数あります。
実は呉港高校もコロナの感染状況から訪問日程を変更された学校の一つでした。バスから降りてきたのは、気持ちの良いあいさつのできる生徒達と、その生徒と和やかに話す先生方でした。
「今年、コロナの影響でどの行事も出来ておらず、今日の日をみんな楽しみにしていました」とのこと。スタッフも気持ちが引きしまりました。

午前中は、JICA事業の紹介とSDGsに関するクイズで知識を深めてもらいました。
そして、青年海外協力隊の活動体験談を聞いて頂いたあとでエスニック料理のランチバイキングも楽しんでもらいました。

「貿易ゲーム」で経済格差を考える

「貿易ゲーム」で協力して交渉に臨む生徒

お気に入りの衣装は見つかったかな?
良い笑顔!

午後からは7グループに分かれての「貿易ゲーム*」。
製品を作る作業を通して、世界の状況や自分たちが置かれた環境を考えたり、物やお金がなくて困っている時に自分ならどうする?と頭をひねったり、現実社会での経済格差を模擬体験できるゲームです。「自分達は本当に困っているのに、助けてくれん。」「あそこのグループは自分達の事しか考えてない!」「何も出来ん…」と、感情を揺さぶられた生徒の口からは、リアルな感想が聞かれました。
ゲーム中、活発な動きをしていたのは、2つのグループが協力していたチームでした。新しいアイデアを出したり、相手の気持ちに訴えかけるアプローチをしたり。「ピンチはチャンス」をゲームの中で体現していた彼らから、真剣に悩んだときこそ新しい突破口が見つかる姿を見た思いでした。そして、生徒はゲームを通して、SDGsにつながる課題も感じたようでした。世界の様々な格差や課題を体感した高校生は、自分が感じたモヤモヤや腹立ち、あきらめといった感情から、どうしたら優しい世界になるんだろう?自分になにか出来ることはないだろうか?と考えてくれたのではないでしょうか。

「生徒が4月に入学して以来、今日が1番楽しそうでした」とは、引率でいらっしゃった先生の言葉です。
生徒も先生も一生懸命、クイズやゲームに取り組んでもらった結果、沢山の笑顔を見る事が出来ました。そして、学校外でみんなで食べるランチバイキングは、お腹も心も満たしてくれた様子でした。
いつもと違う状況の今。でもやっぱり大切な、いつもとは違う体験。
コロナ渦で毎日の生活が様変わりする中、学校の授業や行事も変更を余儀なくされています。そんな環境でもJICA中国に来て下さった呉港高校の皆さん、ありがとうございました。

*「貿易ゲーム」:「貿易」を中心に、世界経済の動きを擬似体験することによって、そこに存在するさまざまな問題について学び、その解決の道について考えることを目的としたシミュレーションゲーム。今回活用した「新・貿易ゲーム」は、オリジナル版『貿易ゲーム(THE TRADING GAME)』の制作・発行者であるクリスチャン・エイド(Christian Aid/イギリスの開発NGO)より、その著作権および版権の使用に関して協力を得て2001年に開発教育協会と(財)神奈川県国際交流協会が共同で制作したものです。