【実施報告】2021年度JICA中国 教師国内研修 事後研修

2021年12月27日

フィールドワークの知見を児童生徒に還元するには

アクティビティ「住むならどこ?」を体験

12月4日(土)、2021年度JICA中国 教師国内研修のフィールドワーク事後研修をJICA中国で実施しました。本研修に参加している中四国の5名の先生が参加され、事前研修での学びやフィールドワークでの経験を整理し、学びのプログラム作成に向けたディスカッションを行いました。
最初に、昨年度JICA中国が実施した「開発教育教員研修アドバンスコース」に参加された先生にご登壇頂き、ご自身が作成されたワークショップを体験しました。昨年度の同コースでは、島根県の多文化共生の現場を訪問したり、広島県内の日本語教室を視察しました。そこでの知見を活かした「異文化は私たちのすぐそばに」*1 と題したワークショップを作成された先生自身が、その中の1つである「住むならどこ?」というアクティビティを展開して下さいました。
国名が伏せられた各国の情報カードを見て、自分はその国に住みたいか、住みたくないかを理由とともに話しあっていきます。その中には、過去、現在の日本を説明するカードもありました。自分が自国民ならどうか、外国人なら、移民としてこれからずっと暮らしていくならどう思うか、など視点を変え、立場を想像しながら考えていきました。ワークショップを体験したのち、作成された先生から、このプログラムのねらいや作成の経緯と背景、課題について解説があったあと、質疑応答では現場の先生同士ならではの活発な意見交換が展開されました。

*1:2020年度JICA中国 開発教育教員研修アドバンスコースで作成された学びのプログラム集は以下関連リンクからダウンロードできます。

想いを教材化するということ

山中信幸教授の解説

作成中のワークショップを全員で試しました

後半は、本研修に参加している5名の先生方が、検討中のワークショップのアイデアや授業案を持ち寄り、各自の発表と意見交換を繰り返すことで内容を練っていきました。本研修に参加される前から関心を持っていた分野について扱う方、フィールドワークでの気づきから新たにアクティビティを考えた方など、ねらいやテーマ、手法は様々。校種の異なる5名の先生と、本研修の中で総合的にご助言を頂いている川崎医療福祉大学の山中信幸教授から、多様な視点でのコメントとアドバイスを受け、モヤモヤした課題がすっきりする先生もいれば、さらに悩みが深まる先生など、着地点もやはり様々でした。それでも教材に託す想いや問題点を言葉にすることで、次にすべきことや方向性が見えてきたようでした。
    
すべての講義やフィールドワークを終え、5名の先生方は自身が学んだことを、毎日接する子どもたち、そして広く教育に関わる方々に還元すべく、楽しみながらも頭を悩ませて教材を作成中です。本研修に参加された先生、そして講義やフィールドワークに協力して下さったすべての方の熱い想いが詰まった教材は、2022年1月29日(土)に開催予定の「第2回国際教育研修会」*2 でお披露目し、完成後にはJICA中国HPで公開予定です。ご期待下さい!

*2:第2回国際教育研修会については関連リンクからご覧ください。