【学校訪問レポート】広島県立呉昭和高等学校[広島県]

2022年3月31日

今年度(2021年度)ラストの学校訪問

春の暖かさを感じる3月9日(水)に、JICA研修員7名が広島県立呉昭和高等学校を訪問しました。新型コロナウイルス拡大の影響で当初の開催予定日からひと月ほど延期になり、一時は実施も危ぶまれましたが、無事訪問することができました。どの研修員も日本の高校生との交流を心待ちにしており、「どんな学校なのだろう」と期待に胸を膨らませていました。

堂々としたパフォーマンス

書道部によるダイナミックなパフォーマンス

学校に到着し、体育館へ案内されると、卒業した3年生を除く1、2年生総勢132名が拍手で迎えてくれました。温かい歓迎を受けて、研修員たちから、はにかんだ笑みがこぼれます。早速、生徒進行による歓迎セレモニーが始まりました。3月1日に卒業したばかりの3年生から成るダンス部のダンス発表、現役書道部による書道パフォーマンスが続き、生徒の一生懸命な姿に心を奪われたようでした。「若い生徒たちが夢中になっているものを知ることができてよかった。」とキルギスのティンチャさん。研修員からお国の挨拶紹介を終えた後、生徒から質問が飛び交いました。「好きな日本食は何ですか?」との問いに、研修員の答えは「寿司」「ラーメン」「お好み焼き」!お馴染みのラインナップが嬉しかったのでしょうか、生徒たちからも歓声があがりました。

楽しい交流時間

みんなでミャンマーの「タナカ」を体験中

「カナマチ」という目隠し鬼ごっこ(バングラデシュ)

歓迎セレモニーの後の交流タイムでは、2年生が少人数のグループを作り、それぞれの研修員とより濃い交流を図りました。研修員も事前に用意した資料を持参し、お国紹介をしました。ミャンマーのサンダーさんは伝統衣装に身を包み、写真を使って民族衣装の紹介をしました。その説明を聞いた生徒から「綺麗!」「初めて見た!」などの感想が寄せられ、「着てきた甲斐がありましたね。」と満足そうな様子です。その後、浴衣の着付けをしてもらい「ミャンマーの衣装と日本の浴衣を1度に着られるなんて嬉しいですね。」と喜ぶ姿が印象的でした。お国から持参した「タナカ」と言う、ミャンマーで日常的に使われている伝統的な化粧品を塗ってもらった生徒たちは「いい匂い!」「さらさらしてる!」と、初めて見る化粧品に興味津々でした。他にも、日本のお祭り体験や折り紙体験など、多くの日本文化の体験をさせてもらった研修員たちはたくさんのお土産を手に笑顔で各グループから戻ってきました。
お次は高校からのリクエストでもあった「世界の遊び体験」です。今回は2グループに分かれて、バングラデシュとミャンマーの遊びをします。生徒も研修員も童心に帰り、全力で遊びを楽しんでいました。外国のことを「紹介」してもらうだけでなく実際に「体験」することで、よりその国を身近に感じ、親近感を覚えてもらえたのではないでしょうか。

一筆入魂!

書道部の指導の下、立派な作品が完成しました!

最後の体験は書道体験です。「放課後の部活動」という文化のない研修員たちは、授業以外で生徒が真面目に活動に取り組む姿に心を打たれたようで、スリランカのナディーシャさんも「日本の学生は勉強熱心で驚きます。」と感心していました。書道体験では、研修員が書きたい文字を選んで、生徒にお手本を書いてもらい、練習をします。各々納得のいくまで練習を重ね、渾身の1枚が出来上がりました。「叶」という字を選んだパキスタンのフリオさんは「生徒や先生に上手と褒めてもらいました!」ととっても嬉しそうな様子。作品を「国に持ち帰ったらよく見えるところに飾りたい。」と意気込んでいました。
コロナ禍で様々な交流が制限される中、貴重な体験をさせてくださった呉昭和高等学校のみなさま、本当にありがとうございました!生徒のみなさんにとっても心に残る時間となっていれば幸いです。