【学校訪問レポート】八束学園[島根県]

2022年1月17日

コロナ禍で実現したオンライン学校訪問

今年度の学校訪問、2回目は島根県松江市の市立義務教育学校八束学園です。小学校と中学校の一貫教育が行われていて、6年生を「訪問」しました。これまで、訪問先はJICA中国がある広島県内がほとんどでした。JICAでは、新型コロナウィルスの影響によりJICA研修員が国内に入ってくるのが難しくなったことで、オンラインでの研修を実施しています。その結果、地理的な制約がなくなり、訪問校を募集する際、「オンライン訪問も可」とすることができ、12月17日(金)、八束学園の訪問が実現しました。

オンラインでも繋がることの喜び

当日は広島からペルーの研修員、島根からアフガニスタンの研修員が参加しました。「オラ!」(スペイン語の『ハロー!』)と話しかける八束学園の久保田先生は、JICA海外協力隊として中米ベリーズで活躍された経験をお持ちで、ペルーの研修員とスペイン語であいさつが交わされました。すぐに島根の研修員もつながり、松江市内2か所と東広島市内をつなぐオンライン中継が始まりました。そのうち続々と子どもたちが入室。教室の大きなスクリーンに自分たちと二人の研修員が映っているのに気づくと嬉しそうに手を振る子もいました。元気な子どもたちの様子に、「かわいいな」と語るペルーの研修員。「自分が子どものころのことを思い出すよ!僕のファミリーは、とても大家族で大勢のいとこがいるんだ。」と家族を思い出しながら話してくれました。

子どもたちによる学校紹介

子どもたちの発表に、東広島の研修員から拍手を送りました。

「それでは授業を始めます!」と先生が声をかけると、子どもたちが起立しました。慌てて立ち上がるペルーの研修員。画面から顔がはみ出てしまいましたが、それもご愛敬。日本らしくお辞儀、着席してカメラに手を振り「アミーゴ!」。また、アフガニスタンの研修員もにこやかに手を振り、スクリーンは笑顔で溢れました。
最初は、八束学園の子どもたちが、松江市と八束学園の紹介をしてくれました。一人ずつカメラの向こうの二人の研修員に向かって語ります。写真を手に「松江城があります」「しじみが有名です!」と交代しながら英語で紹介。手に持った写真が画面からはみ出て見えず、身振りで「UP(アップ)!UP(アップ)!」と伝える場面もありましたが、子どもたちの話に「うんうん。」「スゴーイ!」などと反応しました。

研修員によるお国紹介

ペルーの研修員も、アフガニスタンについて一緒に学びました。

島根と広島から、「楽しかったよー!」と手を振りあいました。

八束学園の子どもたちによる紹介が終わると、次は研修員によるお国紹介です。最初は、アフガニスタンについて。それぞれのスライドが日本とアフガニスタンの対比になっていて、地図や国旗について話してくれました。東広島では、ペルーの研修員も興味深そうにメモを取っています。「日本の国鳥はキジ。アフガニスタンではイヌワシです。」「国の花は、日本ではサクラ。アフガニスタンは赤いチューリップです。春になると、たくさん咲きます。」
続いて、ペルーについて。「ペルーには、南米でもっとも古い大学があります。ぼくも、この大学を卒業しました。」「プリンセス・マコもペルーを訪れたことがあります。」八束学園の久保田先生がときどき日本語で訳してくださり、子どもたちは熱心にメモを取っていました。
最後は、質問タイムです。「『〇滅の刃』、知ってますか?」ペルーの研修員は「知ってるよ!うーん、ちょっとマッテ」とスマホを操作すると、有名なテーマソングが流れ、「これだよね」とばかりにスピーカーに近づけてくれました。そうそう!とうなずく子どもたち。「どんな映画が好きですか?ハリーポッター、知っていますか?」の質問に「アフガニスタンの人は、インドの映画が好きです。」子どもたちにとっては意外な答えが返ってきました。ペルーの研修員は、「ハリーポッター、知ってるよ。」ペンを杖がわりに、呪文を唱えながら画面に向かってポーズを取ります。
「アフガニスタンでは、先生が女の人なのはどうして?」の質問には、「女の人は、家の中にいて、守られなければなりません。だから先生は女の人が多いです。男の人は、外で働きます。」国ならではの事情を説明してくれました。
「それではこれで終わります。Thank you very much(サンキューベリーマッチ)!」のかけ声のあとも、しばらく中継が続きました。教室では、スクリーンに映る自分たちに気づき、カメラの前で子どもたちが代わるがわる声をかけたり手を振ったりしてくれています。最後は名残り惜しそうに手を振りあってオンラインミーティングを退出し、中継による学校訪問は無事に終わりました。八束学園のみなさま、ありがとうございました!