島根県浜田市による美術教育支援の取り組みが「ブータンこども美術館」の設立に繋がりました!

2021年6月29日

【草の根技術協力事業/支援型】ブータン王国における美術教育支援事業

本プロジェクトで作成された教材集や日本の教科書なども展示されています

本邦研修で学んだダンボールを活用した額縁と展示

JICA中国は、浜田市世界こども美術館(公益財団法人浜田市教育文化振興事業団)を実施団体として、2017年8⽉〜2020年8⽉の3年間にわたりブータン王国にて「ブータン王国における美術教育⽀援事業」(草の根技術協力事業)を実施しました。

このプロジェクトを通じてブータンから日本での研修に参加した小学校美術科教員と美術教育関係者が中心となり、2021年5月にブータン国パロ県で地域住民が主体で運営するBhutan Children’s museum(以下、「ブータンこども美術館」)を立ち上げました。
このことはブータン王国の新聞記事にも取り上げられ、記事内では立上げの経緯やこどもの創造性や好奇心を育む美術教育の重要性などについての思いが語られています。

現地で掲載された記事は「関連リンク」からご覧いただけます。
記事は英文で掲載されています。ウェブページの翻訳機能などをご利用いただくと、記事を日本語でご確認いただけます。

ブータンこども美術館がある周辺の街並みの様子

ブータンこども美術館内の展示においては、本プロジェクトの研修を通じて学んだ廃材等の身近な材料を活用した展示方法としてダンボールの額縁を作成し、こどもたちの絵を展示しています。

このことは、ブータンからの研修参加者がプロジェクトの目標としていた小学校内の美術教育にとどまらず、こどもたちが芸術に触れる機会をつくるため、地域に根差した活動を自ら開始したことを示すものです。
プロジェクトの成果が草の根レベルでの市民の交流を促進したという好事例であり、日本国内での美術教育を通じた地域づくりの視点においても多くの気づきを与えてくれるものです。

今年度からは先のプロジェクトを実施する中で見えてきた課題に取り組むため「ブータン王国での美術指導力の向上とアートを通じた地域活性化プロジェクト」(草の根技術協力事業/支援型)を実施する予定です。