【実施報告】2021年度JICA中国 教師国内研修 事前研修①

2021年7月13日

JICAで考える開発教育とは?

研修への参加動機を発表する先生

事前課題をみんなで考える

6月26日(土)、2021年度JICA中国 教師国内研修の第1回目の研修をオンラインで実施しました。
JICAでは例年、教員の皆さんにJICAが事業を行う開発途上国を訪問してもらい、その学びを授業を通じて日本の児童生徒に伝え、ともに世界の課題について考えて頂くことを目的に「教師海外研修」を実施してきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で海外に渡航できなくなった昨年から、JICA中国では、自分たちが暮らす中国地方で様々な課題を知り、そこから世界共通の問題をとらえ、SDGs達成や国際協力に地域で貢献できることを考える国内研修を実施しています。
今年度は広島、島根、岡山、そして2019年度教師海外研修をJICA中国と合同で実施した四国の香川県から計5名の先生がご参加下さいました。

本研修で年間を通じてご指導頂く川崎医療福祉大学教授の山中信幸先生からは、参加者に事前課題が出ていました。
それは「開発教育とはなにか?を自分なりに考えること」、そして「開発教育につながると思う新聞記事を持ってくる」こと。5名の先生の開発教育の定義はもちろん、それをもとに準備した記事の内容も、その記事に着目した理由も様々でした。
そして山中先生から「その記事に隠された意図は?」という質問に、さらに参加者は頭を悩ませた様子。その問いは、今後講義を受け、フィールドワークで様々な場所を訪問し、いろいろな人から話を聞く中で、あらゆる場面で必要な「多角的な視点」を持つ、ということにつながるのかもしれません。
開発教育とはなにか、途上国支援を行うJICAの研修で学ぶべき点はなにか、そして地域や学校でその知見をどう還元していけるのか、改めて考える機会となったようでした。

海外研修にはない「国内研修のメリット」とは?

昨年度参加者の川上典剛先生の発表

研修の最後には、昨年実施した「開発教育教員研修アドバンスコース」に参加された山口県の川上典剛先生にご発表頂きました。
昨年度の研修内容から成果物である学びのプログラムをどう作成したのか、実際に川上先生が作成したアクティビティを体験しながら、学んだことを教材や学習プランに反映するポイントや課題を聞きました。
また、川上先生は2018年に教師海外研修にも参加されています。両研修への参加経験を通じて、海外研修にはない国内フィールドワークの強み、特徴についてもコメントしてくれました。

本国内研修のゴールは、昨年同様、様々な講義や地域で活躍する方々と出会うフィールドワークを通じて、その学びを還元した学習プログラムを作成することです。
多忙な日々の中でご参加下さった5名の先生方が、どんな気づきや発見をされるのか、それをどんな形で児童生徒へ、そして多くの教員の方々へ発信してくれるのか、今からとても楽しみです。