【イベント報告】2021年度 地域訪問(しめ縄づくり)

2021年12月14日

しめ縄ってなぁに?

12月4日(土)、8か国21名の研修員たちが東広島市安芸津町を訪れました。その目的は、日本の伝統のお正月飾りである「しめ飾り」を作ること。道中、「しめ縄」についての説明を聞き、神聖な物と俗世を隔てる結界の役割があること、日本の神社や御神木(ごしんぼく)、横綱のまわしにまで使われていることを知りました。日本の正月では、その年に豊作や健康をもたらす歳神様(としがみさま)をお迎えするために「しめ飾り」を飾ります。日本人の暮らしにとても身近な「しめ縄」ですが、研修員にとっては初めての体験です。

いざ、「しめ縄道場」へ!

直接ご指導いただきました!これぞ匠の技!みな興味津々のようす

今回「しめ縄作り」を指導していただくのは安芸津町で20年以上しめ縄作りをされている講師の隅沢さんと入江さん、そして地域で活動されているボランティア団体「遊友クラブ」の方々です。毎年10月下旬から安芸津町風早の自立支援センターつばさの敷地内で「しめ縄道場」を開き、しめ縄制作を行っているそうです。イベントのスタートと同時に講師によるデモンストレーションが始まりました。「藁の束をねじりながら巻き付けて1本の縄にしていきます。」と講師である隅沢さんが披露すると、その匠の技に研修員から歓声があがります。「簡単そうに作業されているけど、絶対こんな風にきれいにできません。」とカンボジアのパロットさんは目を丸くしました。

目の前でどんどん形になっていく行程をしっかり目に焼き付けた後は、いよいよ自分たちの番です。今回は事前に藁から「しめ縄」の状態に仕上げて頂いていたので、研修員たちはその縄を、輪っかに整えて飾りつけをしていきました。赤い実の万両や橙(だいだい)、ウラジロで飾れば完成です。

みな、思い思いのしめ飾りを作る中、遊友クラブの方々がその作業に注目している研修員がいました。キルギスのシンディックさんです。なんと藁からしめ縄を作る工程に挑戦していたシンディックさん。もちろん初体験とのことですが、その慣れた手さばきに、クラブの方々から「とても上手!これは来年、講師としてお願いしないといけないですね。」と言われるほどの腕前を披露してくれました。

各国のお正月事情

立派なしめ飾りが完成しました!

しめ飾りが完成した後は、写真撮影会です。顔より大きな立派なしめ飾りを作ることが出来て大満足の研修員たちは、講師と一緒に写真を撮ったり、お互いの作品を褒め合ったり、和気あいあいと過ごしました。そして交流タイムでは、持参した世界地図や各国のお正月の過ごし方の写真を見ながら、自国のお正月について話す様子も見られました。「バングラデシュでは、カラフルなお面と民族衣装で踊るなんて賑やかですね。日本との違いが印象に残りました。」と地域の方から感想が寄せられました。新年のお祝いの仕方は違えど、どの国も家族と楽しく過ごす行事であることが分かります。

今回の体験の感想を聞かれたラオスのシアさんは「今日の体験を通して、文化の伝承の大切さを実感しました。帰国してもこの気持ちを忘れないでいたい。」と答えてくれました。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました!
作ったしめ飾りを玄関に飾ることで、より一層いい新年を迎えられそうです。みなさま、良いお年を!