【実施報告】国際フェスタ2021

2021年12月17日

今年も開催!国際フェスタ!

広島平和文化センター、広島市とJICA中国が共催し、毎年広島国際会議場で開催する中四国最大級の「国際フェスタ」。コロナ禍の影響で、今年も昨年に続き規模を大幅に縮小して11月20日(土)から21日(日)に、広島国際会議場とオンラインにて開催しました。

ざんねんないきものから考える生物多様性

安佐動物公園の野田さん(左)と丸山さん(右)

国際フェスタのメイン企画であるトークショーでは、「ざんねんないきもの事典」や「わけあって絶滅しました。」などの制作で知られる丸山貴史さんと、今年50周年を迎えた、地元広島で愛され続ける安佐動物公園の野田亜矢子さんをゲストにお迎えして、「ざんねんでも、大好きな動物たち~ASA ZOO50周年に考える~」と題したトークショーを、対面・オンライン両方のハイブリッド型で実施しました。

丸山さんはイスラエルのダチョウ牧場で働かれた経緯、その後東アフリカを回って、ウガンダのゴリラやタンザニアの様々な動物たちをみてこられたご経験を披露。そのご経験があってこその、動物たちのクスッと笑ってしまう「ざんねん」なお話に、参加者もあっという間に引き込まれます。でも、そんな「ざんねん」な特徴は、ただざんねんなだけではなく、その特徴のおかげで生き残ってこられた動物のお話もあり、進化の不思議に大人も子供も「へ~!」とびっくり顔です。

丸山さんのお話の後は、安佐動物公園の野田さんとの対談です。世界の動物の話から、身近な日本、広島の動物たちの話題へと移ります。「安佐動物公園のマスコットキャラクターは何の動物か知っていますか?」と質問すると、会場の子供たちが勢いよく頷きます。安佐動物公園のマスコットキャラクターは、オオサンショウウオなのですが、どうしてこんな一見「地味」な動物がマスコットなのでしょう。安佐動物公園はオオサンショウウオの飼育で全国的にも有名だそうで、広島の田舎の方では当たり前にみられるオオサンショウウオが、実は全国的には希少であることや、中国のオオサンショウウオとの体格・気性の違いなどが紹介されるとあら不思議、地元のオオサンショウウオに急に愛着がわいてきました。

いろんな国で動物を見て回ってこられた図鑑製作者としての丸山さんの視点と、安佐動物公園の獣医としての野田さんの視点が合わさり、身近な動物との関わり方や、どうして地元では珍しくない動物が大切なのか、国内外の貴重な動物たちを、ただ繁殖だけではなく、病気の治療法等も理解した上で守っていく役割も、動物園が担っていること等、新たな視点・発見があり、地球全体の「生物多様性」を守る為に、身近なところから出来ることを、ちょっと立ち止まって考えてみる機会となったようです。

質疑応答の時間には、地元安佐動物公園に関する質問の他、「ダチョウは鳴きますか?鳴く場合は鳴き声を教えてください。」といったかわいらしい質問に、会場中が笑顔に包まれる瞬間もあり、時間が足りない程、ご参加の皆様に楽しんで頂けたようです。

今年の地球ひろばはオンライン!

ゲストのお2人と旅行へ出発!

昨年は、コロナ禍の影響で実施を見送った、 大人気体験型ブースの「地球ひろば」。今年も対面での実施が見送られましたが、少しだけでも体験して楽しむ機会を、との思いで、トークショー終了後の午後から、オンライン企画を2つ実施しました。

1つ目は、ワールドツアー。コロナ禍でなかなか旅行が出来ない今、心だけでも外国へいった気分を楽しめるよう、ゲストの2人のお話を聞きながら、国名をあてるクイズを楽しむ企画です。名前だけではなかなかわからない国。お2人が紹介する文化や名物をヒントに、楽しくニカラグアとウガンダのことを学びました。会の後半には参加者からの質問をゲストのお二人に答えてもらったのですが、時間いっぱいまで止まらない質問の嵐!最後にゲストのお二人が「たくさん興味を持ってくれて嬉しかった!」と笑顔で感想をお話しされていたのが印象的でした。

2つめは、アディンクラのカード作りです。チョコレートを思い浮かべる方も多い、西アフリカの国ガーナでは、日本の家紋のようなアディンクラと呼ばれるシンボルをあちらこちらで見ることが出来ます。ガーナに派遣されていた元JICA海外協力隊の村上さんを講師に、このアディンクラのことを学びました。子供たちにはそもそも「家紋」もなじみが薄いかもしれませんが、村上さんが、鬼滅の刃の登場人物たちのシンボルマークの説明を交えながらアディンクラの説明をしてくれたので、子供たちにもとてもわかりやすかったようです。
ガーナにある様々なアディンクラを学んだ後は、自分の想いを込めた自分だけのアディンクラシンボルを作成します。子供も大人もそれぞれの想いを込めたアディンクラが完成してみんなニッコリ。楽しい時間となりました。

参加された皆様、どうもありがとうございました。来年も国際フェスタでお会いできるのを楽しみにしています。