地域理解プログラムの実施「広島県の歴史と文化を学ぶ(世界遺産と観光振興)」

2022年10月12日

全国から広島に集合!

8月20日(土)と9月17日(土)に「広島県の歴史と文化を学ぶ(世界遺産と観光振興)」というテーマで宮島を訪ねるツアーを開催しました。今回のツアーがいつもと違うのは、全国のJICA長期研修員(JDS生)を対象に参加者を募集したことで、JICAとしても初の試みです。

各回定員20名のところ、広島県外の研修員を含めた総勢80名から応募がありました。東は山形、西は鹿児島からの応募があり、倍率4倍という人気ぶりです!広島の「宮島」が県外の研修員に魅力的に映っていると実感し、嬉しくなります。そんな高倍率を勝ち抜いて、福岡や兵庫、徳島から7名と県内29名の研修員が参加したツアーの様子をお届けします。

ようこそ広島、宮島へ

厳島神社内を歩く、徳島県のマーシャルさん(ブルキナファソ)と兵庫県のクゴサナさん(南アフリカ)

弥山をバッグにハイチーズ!

8月も9月もお天気に恵まれ、絶好の散策日和でした。観光客や鹿たちが行き交う中、ワクワクが伝わる足取りで一行は厳島神社へ向かいました。その途中、補修中の大鳥居を見て、福岡県(JICA九州所管)から来たジョンさん(フィリピン)は「旅行が大好きなので、大鳥居の補修工事が終わったらまた広島に来ます!」と言ってくれました。青春18切符を使いこなすジョンさん、ぜひ次は朱に輝く大鳥居を見に来てほしいですね。

初めて見る厳島神社に感動した様子で「とても美しい神社を見ることができて嬉しい!」と言ったのは福岡県(JICA九州所管)のマリアさん(インドネシア)。「見どころがたくさんあって、1日じゃ足りないです。」と、県外から時間をかけて来たからこそ隅々まで堪能したいという熱い思いが伝わってきます。厳島神社を訪れた後は、宝物館を堪能し、宮島の歴史に触れながらそれぞれが自由時間を楽しむことが出来ました。

建築が専攻のアクバリさん(アフガニスタン)は、千畳閣と五重塔を訪れた感想を興奮気味に伝えてくれました。「千畳閣は、中から見上げるといくつもの木材が複雑に、かつ精巧に重なって作られている。コンピューターもない当時にこれだけの技術があったことが本当にすごいです!」と話す彼は、自身も絵を描くことが趣味なようで、千畳閣天井に飾られた絵の美しさにも魅了されたようでした。

もみじ饅頭手焼き体験

にぎり天おいしい!!
福岡県のジャネットさん(ケニア)とジョマリーさん(フィリピン)

この宮島ツアーの目玉イベントが「もみじ饅頭手焼き体験」です。今回は宮島の老舗「やまだ屋」で体験しました。宮島銘菓のもみじ饅頭を自分で作る体験ができるということで、研修員はとても楽しみにしていました。

エプロンをつけて、手を洗い、さぁ準備万端!目の前には珍しいもみじを象った金型があります。焼き方の説明を聞きながら、生地を2つ分の金型に流し込み、それぞれこし餡とチョコレートを入れました。更に生地で蓋をして、待つこと2分。熱々のもみじ饅頭が焼きあがりました。金型を開けた瞬間、大きな歓声があがり、みな童心に帰りながら手焼き体験を楽しんでいました。

兵庫県(JICA関西所管)のクゴサナさん(南アフリカ)は「宮島定番のお菓子を焼く体験ができて、日本文化を深く理解できたと思う。」と感想を寄せてくれました。初めて食べるこし餡も気に入った様子でした。

また会う日まで

上手に焼けました!

広島県内外から参加となった今回のツアーですが、異国の地で共に頑張る者同士、彼らが打ち解けるにはそう時間は必要ありませんでした。限られた時間でしたが、すっかり仲良くなった研修員たち。広島駅で別れる際も名残惜しそうな様子でした。このツアーでの思い出が彼らの記憶に鮮やかに残りますように。そして、いつかまた会う日が訪れますように!