【JICA研修員の学校訪問レポート】広島県立呉昭和高等学校[広島県]

2023年3月3日

いざ、呉昭和高校へ

2月17日(金)に、今年度最後の学校訪問を実施しました。訪問先は呉市にある広島県立呉昭和高等学校です。呉昭和高校は来年度の3月で閉校になることが決まっており、現3年生が卒業したあとは現2年生だけとなってしまいます。この日は、その最後の学年となる2年生と交流するため、バングラデシュ、パキスタン、エジプト、キルギスの3カ国から7名の研修員が参加してくれました。交流のための準備もばっちり!さて、どんな訪問となったのでしょうか。

「遊び」を通した交流

コツを教えるアイさん(キルギス)

「だるまさんがころんだ」を楽しみました

最初は、体育館で歓迎のセレモニー。全校生徒が研修員を拍手で出迎えてくれました。高校生による空手やカンフーのパフォーマンスもあり、研修員はその演舞に見入った様子です。最後に行われた書道部による巨大な筆を使ったパフォーマンスでは、研修員はみな写真を撮るのを忘れるほどそのダイナミックな動きに引き込まれていました。
次に、学校側からのリクエスト「世界の遊び」の時間です。今回は研修員を代表してキルギス出身のアイさんがお国の遊びを用意してくれました。「Five Rocks」という名前の通り、本来は5つの石を使って二人対戦で行う遊びなのですが、今回は石を2つに減らして、4つのグループを作りリレー形式で行いました。1つの石を宙に投げている間に、もう1つの石をとり、落ちて来る石と同時にキャッチするという、一見簡単そうに見えるこのゲーム。いざ始めてみるとみんな大苦戦!なかなか難しかったようですが、その分とても盛り上がりました。
続いて行われたのは、生徒のみなさんが日本の遊びとして紹介してくれた「だるまさんがころんだ」。幼少期に誰しも遊んだことのあるこの遊びを総勢67名で行いました。ルール説明を聞いた研修員は、周りの生徒の見様見真似で挑戦。バングラデシュのサイフルさんは攻めた動きであっという間に鬼の元へ。みな童心に返り、何度も行いました。エジプトのヌールさんが鬼になると「だるまさんがころんだ!」と流ちょうな日本語でしっかり鬼役を務めてくれました。

高校生のトレンドを学ぶ!?

いろんなポーズを教えてもらうマフムードさん(パキスタン)

お国紹介のあとの集合写真

遊びで緊張もすっかりほぐれ、交流タイムに移りました。グループに別れて、それぞれが事前に用意していたお国の紹介を行います。生徒の皆さんから「お国の高校生の休日の過ごし方」や「若者の間では流行っていること」を教えてほしいとリクエストがあったので、その項目についてもしっかり紹介してくれました。賑やかな声がするグループを覗いてみると、パキスタンのマフムードさんが女生徒たちと撮影会。「これはどういう意味があるの?」と教えてもらった「逆ピース」などのハンドサインに興味津々。「意味は特にないです!でも流行ってるんです。」とトレンドの最先端を現役の女子高生に教えてもらうという貴重な体験をしていました。「日本の高校生の学校での過ごし方を知ることが出来て大変良い経験になった。」とマフムードさんも楽しんでいました。
別のグループでは、生徒が呉市について紹介していました。「戦艦大和に愛されたラムネ 大和ラムネ」というラベルのついたラムネをお土産にもらったバングラデシュのモモさん。「ラムネの飲み方も教えてもらいました。」と嬉しそう。日本の文化や生徒の地元である呉市のことを直接教えてもらえたことをとても喜んでいました。

書道体験

上手に書けました!(オビックさん・バングラデシュ)

放課後は書道部の体験をさせていただきました。部員の方が用意してくださったお手本から「幸」や「友」など、自分の好きな文字を選んで練習しました。研修員は納得のいくまで練習して、最後に清書として和紙風のクリアファイルに渾身の1文字を書き、作品として持ち帰らせてもらいました。思いがけないお土産に、みんな大満足の体験となりました。生徒のみなさんからの温かいおもてなしの数々に研修員も感動したようで「また訪問したい。」「参加できて良かった。」と口々に感想を述べていました。
閉校まで残り1年となりましたが、今回の訪問が生徒のみなさんにとっても有意義な時間であれば嬉しく思います。たくさんのおもてなしをしてくださった呉昭和高等学校のみなさま、本当にありがとうございました!