【JICA研修員の学校訪問レポート】なぎさ公園小学校[広島県]

2023年3月3日

わくわくの学校訪問

12月9日(金)の朝、JICA研修員8名を乗せたバスは広島市佐伯区にある、なぎさ公園小学校に到着。バングラデシュ、ペルー、ルワンダ、エジプト、カンボジア、パキスタン出身の研修員たちは、普段は広島大学で勉学に励んでいるため、小学生と出会う機会はほとんどありません。そのため、小学生と交流できる今回の訪問をとても楽しみにしていました。訪問先である、なぎさ公園小学校は、県内でも珍しい私立の小学校です。楽しい交流をしようと、みな準備万端!いざ学校へお邪魔します!

私の国の話を聞いて!

ペルーの人形を見せるヴィヴィアナさん

学校に到着した研修員が向かったのは1・2年生の校舎です。2グループに別れてそれぞれのクラスで3カ国ずつお国の紹介をしました。今回、学校から「各国の衣食住について紹介してほしい。」との要望があったため、研修員は実際に民族衣装を着て来たり、おいしそうな食べ物の写真を紹介したりと、自国の紹介を張り切って行いました。バングラデシュのクマールさんは、自分が着ている国旗がプリントされたTシャツを見せながら「私の国と日本の国旗はとてもよく似ています。真ん中に赤い円があり、2色ですよね。」と親しみを込めて説明しました。「本当だ!」と返ってくる児童の反応にとても嬉しそうな様子です。隣のクラスでは、ペルーの人形を持参したヴィヴィアナさんが民族衣装を紹介中。「ペルーの国民は色鮮やかな衣装を着てダンスをするんですよ!」とダンスが国民にとても大切なものであることを伝えました。
児童たちは、研修員の発表を聞きながらワークシートにメモをとっていました。今度、お互い聞いていない国のことを知るために発表しあうためだとか。時間の都合上、6か国全てのお国紹介を聞くことは叶いませんでしたが、このようにあとから共有してもらえると嬉しいですね。

世界の遊び体験

ルワンダの「イキブクゾ」を児童と対戦中のエリックさん

お国紹介のあとは、お待ちかね「世界の遊び体験」です。今回参加した6か国の内、バングラデシュ、ペルー、ルワンダ、カンボジア、パキスタンの5か国からアイディアが寄せられ、児童と一緒に遊ぶことが出来ました。児童は3グループに別れて、順番に体験していきます。ルワンダのボードゲーム「イキブクゾ」を紹介するのはエリックさん。「ルワンダの子どもたちは、地面に盤面を書いて、豆を駒にして遊びます。」と説明しながら、今回は紙とペットボトルのキャップで体験しました。日本の「○×ゲーム」に似ているため、児童もすぐにルールを理解して遊び始めました。「やった!」と嬉しそうな声の方へ行ってみると、エリックさんと対戦した児童が勝ったようです。「本気で挑んで負けました。みんな強いですね。」と悔しさ半分、喜び半分なエリックさんでした。
どの遊びのグループも大にぎわいで、終了時には「もっと遊びたい!」と名残惜しそうな声が聞こえてきます。「日本の子どもたちにこんなに喜んでもらえるなんて!紹介してよかったです。」と、カンボジアのパウさん。カンボジアの正月遊び「ボアアンクン」に使う植物の種子を実際に手にとり、遊んでもらえてとても嬉しそうな様子でした。

研修員は人気者!

アラビア語でサインをするヤスミンさん(エジプト)

遊びのあとに、ハイチーズ!

遊びを終えて、午後の部に備えるため研修員はいったん控室へ戻りました。昼食後、校内を見学するために廊下へ出た途端、児童に囲まれる研修員たち!児童の手にはノートと鉛筆が握られていて「サイン書いて!」とキラキラした目で研修員にお願いをしています。児童たちが、少しでも長く交流しようと研修員を囲んだのです。初めての経験に戸惑いながらも嬉しそうな様子の研修員たちは、ノートや下敷きにサインを書いていました。「有名人になったみたいです。」と話すのはパキスタンのアッタさん。かわいいリクエストに応える様子はとても微笑ましい光景でした。
 午後の部でも、お国紹介と世界の遊び体験で存分に児童と交流した研修員たち。「みんな元気でかわいいですね!」「素直な反応に励まされます。」との感想からも、大変充実した体験であったことが分かります。研修員たちは、今回の訪問にあたり、どんなお国紹介をしたら興味を持ってくれるか、どんな遊びであれば一緒に楽しめるかなど、時に童心に返りながら準備してきました。その成果が実を結び、非常に有意義な時間となったようです。これも楽しい時間を一緒に過ごしてくださったなぎさ公園小学校のみなさんのおかげです。本当にありがとうございました!