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【ルワンダ⇔千葉県】世界の水について-千葉市立高浜第一小学校(2025年9月)

2025年9月18日、千葉市立高浜第一小学校4年生の児童の皆さんに向けた、JICAオンライン国際協力出前講座を行いました。4年生の12人が参加し、ルワンダで活動中のJICA海外協力隊、松尾枝梨乃(まつおえりの)さんを講師に迎え、「水」をテーマにお話いただきました。
松尾さんはルワンダの東部州ガツィボ郡の郡庁において、コミュニティ開発隊員として水衛生改善プログラムに関わる活動しています。

高浜第一小学校の児童の皆さんは、総合的な学習の時間に「水」をテーマに学習し、自分たちの住んでいる場所の水が安全に保たれている仕組みや水源となる森を守る取り組みなどを学んだそうです。そこで次は世界の水事情についても知り、世界に目を向けていくきっかけになればということで出前講座にお申込みいただきました。

【安全な水って何だろう?】

日本とルワンダではそれぞれ何人の人が水道を使えるでしょうか?日本では98%、ルワンダではなんとたったの17%だそうです。ただし、ルワンダの水道水はそのまま飲むことはできません(現地の方々は飲んでいますが、日本人が飲んだらお腹を壊します)。日本にいると、水道の蛇口をひねれば、安全な水が出てくるので、あまり考えたことがないかもしれませんが、世界の水事情をみてみると、水道水の水にも「安全な水」と「そうじゃない(安全じゃない)水」があります。
では、「安全な水」とはいったい何でしょう?「きれい(よごれやばい菌がない)、十分(ほしいときに、ほしいだけある)、近い(家からそんなに遠くない)」というのが、「安全な水」の条件と言われているそうです。世界には196か国ありますが、水道からそのまま水を飲めるのは日本を含めた数か国だけなのです。講座では、ルワンダの「安全な水」と「そうじゃない(安全じゃない)水」のクイズがあったり、児童が考え、発言する場面もたくさんあり、皆さんも積極的に参加していました。

ルワンダの水道水はそのまま飲める?

安全な水って何だろう?

ルワンダの「安全な水」と「そうじゃない水」クイズはみんな全問正解!

【水を確保する場所はあっても・・・】

ルワンダで「安全な水」に分類されるのは、公共水栓・ハンドポンプ(井戸)・守られた湧き水などがあり、(自宅の)水道水を使える人は17%ですが、他にも水を確保する場所(方法)はあります。公共水栓は29%、ハンドポンプは2%、守られた湧き水は23%の人たちがアクセスできています。しかし、残りの29%の人たちは「安全じゃない水」を飲んでいることになります。
では、なぜみんなが安全な水にアクセスできないのでしょう?児童の皆さんからは「公共水栓や井戸などの数が少ない」「日本の蛇口みたいなものを作る技術が足りていない」など、しっかりとした回答が次々と出ました。
松尾さんはその児童たちの回答に解説を加えながら、どの回答もすべて正解であること、そして、公共水栓や一部のハンドポンプ(井戸)はお金がかかるため、お金が払えない人たちはその水にアクセスすることができないという説明をしてくれました。

【日本にいても災害や気候変動の影響などで水が使えなくなることも!】

日本人は1人あたり1日に約290リットルの水を使っていると言われています。日本ではあたりまえのように蛇口をひねれば水が出ますが、水へのアクセスが難しいルワンダでは、少ない水でいかに暮らしていくかを工夫しなければなりません。
松尾さんは最後に「日本でも災害や水不足などで断水が起これば、水が使えない時もあるかもしれないので、どうやったら水を大切に使えるかなど日頃から家族や友達と話してみてください」とメッセージを伝えてくれました。

ルワンダの29%は「安全ではない水」で暮らしている

なぜみんなが「安全な水」にアクセスできないの?

日本にいても、水を大切に使いましょう!