jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【東ティモール⇔広島県】お互いを理解する一歩とは-広島三育学院大和小学校・中学校(2026年9月)

2026年9月4日、広島三育学院大和小学校・中学校に向けて、JICAオンライン国際協力出前講座を実施しました。小学校と中学校合同で55名が参加し、現在東ティモールで小学校教育隊員として活動中のJICA海外協力隊、物部莉奈(ものべりな)さんを講師に迎え、活動紹介や現地児童との交流を行いました。

当初は、大和小学校の先生からお申込みでしたが、せっかくの機会ということで、敷地内にある中高一貫校の中学生も合同で参加することになりました。
全寮制の中高にはさまざまな国籍の生徒たちが在籍しており、今回の講座には、異文化理解や多文化共生の視点を養い、児童や生徒一人ひとりが、多様な人々とともに生きていく力を育んでほしいという願いが込められていました。
また、同校がキリスト教主義に基づいた教育を実践していることから、国民の約9割がキリスト教徒とされる東ティモールで活動する海外協力隊を講師として迎えました。

【「まず話してみる」ことから始まるコミュニケーション】

2002年に独立した、東南アジアでもっとも新しい国といわれる、東ティモール。
講座の冒頭では、まず東ティモールがどこにある国なのか、どのような文化や特徴があるのかをクイズ形式で紹介しました。クイズの中には、建物の外でたくさんの人が立ち止まっている写真があり、「何をしているところ?」という問いかけがありました。児童・生徒の皆さんは正解が多かったようですが、東ティモールでは教会が混んでいて中に入れないときには、教会の外でお祈りをささげる人々の姿もよく見られるそうです。
クイズのほかにも、日本とは異なる学校の様子を、動画を交えながら紹介し、現地の子どもたちがどのような環境で学び、学校生活を送っているのかについて、具体的に知ることができました。

続いて、物部さんが東ティモールの学校で実際に行っている活動についてもお話がありました。
以前は、先生が黒板に書いたことを子どもたちがノートに写すという授業が中心だったそうですが、物部さんは、フラッシュカードや歌、ゲームなどを取り入れながら、子どもたちが「楽しい!」と思える授業づくりを工夫しているそうです。
また、毎日の小さな積み重ねを「できた!」という達成感につなげることを大切にしており、空き時間に子どもたちと一緒に「九九」を練習するなど、日々の学校生活の中で積極的に子どもたちと関わっています。

活動を始めたばかりの頃は、同僚の先生と協力して授業を行いたいと思っていたものの、コミュニケーションがうまくとれず悲しい思いをしたこともあったそうです。最初は「嫌われているのかな」「私のことを必要としていないのかな」と、相手の行動だけを見て、自分の中で勝手に思い込んでいましたが、ホストファーザーに相談すると、「きっと恥ずかしいんだよ」「緊張しているんだよ」という答えが返ってきました。
実際に先生たちがどのような気持ちだったかはわかりません。しかし、その後、少しずつコミュニケーションをとることを心がけたことで、徐々に先生たちの気持ちもわかるようになり、今では一緒に協力して授業を行っているそうです。

国籍や生まれた場所、肌の色、話す言語、好きなことなどが違っていても、コミュニケーションをとることで、お互いを理解する一歩になるということ、違うから分かり合えないのではなく、違いがあるからこそ「まず話してみる」ことが大切だということが、児童・生徒の皆さんに伝えられました。

画像

東ティモールの平均年齢はなんと21歳!

画像

楽しみながら達成感につながる授業づくりを工夫しているそうです

画像

小学校・中学校の合同実施

【東ティモールの子どもたちにインタビュー!】

そして、今回は東ティモールの子どもたちとの交流も行いました。
画面に現地の子どもたちが映ると、児童・生徒の皆さんも興味津々。
実際の学校生活や好きなことなどについて質問し、遠く離れた東ティモールの子どもたちの声を直接聞くことができました。

写真や映像を見るだけではなく、実際に現地の子どもたちの声を聞くことで、東ティモールをより身近に感じる時間となったのではないでしょうか。

今回の講座では、東ティモールという国について知るだけでなく、そこで暮らす人々のことを知り、文化や環境の違いを理解しようとすることの大切さについても考えました。
遠く離れた国であっても、オンラインでつながることで、そこに暮らす人たちを身近に感じることができます。
「知らない国を知る」
「違いに気づく」
「相手のことをもっと知りたいと思う」
そして、「まずは話してみる」。
そんな小さな気づきが、世界とのつながりを広げる第一歩になるのかもしれません。

画像

「知っている日本のアニメは?」という質問への回答に日本の教室からは歓声が上がりました!

画像

緊張しながらも交流を楽しむ東ティモールの子どもたち

画像

「将来やってみたいことは?」
わかりやすいように、物部さんが日本語で書いた紙も用紙してくれました。