【JICA国際協力出前講座レポート】世界のために、私たちにできることは何だろう?-麹町学園女子中学校-

2024.02.29

【世界のために、私たちにできることは何だろう?】

今回は、2024年2月7日におこなわれた麹町学園女子中学校3年生を対象にした、国際協力出前講座の様子をお伝えします。

2023年7月に団体訪問でJICA地球ひろばを訪れ、JICA職員にインタビューを行った生徒たちの熱意により、この出前講座が実現に至りました。

講師は、現在、JICAの広報部地球ひろば推進課に所属し、JICAの広報や開発教育支援事業に携わっている笹川千晶さん。

ご自身の高校、大学時代の経験も踏まえて、世界の課題や国際協力の意義について講演しました。

笹川さんの自己紹介

●JICAって、何をしているところ?

「JICAについて、知っていることはありますか?」という笹川さんからの問いかけに、多くの生徒の皆さんはあまり知らないといった表情でした。

しかし、世界が抱える問題についての写真がスクリーンに映され、「どんな課題を表した写真だと思いますか?」というクイズが始まると、「洪水?」「難民キャンプ?」など生徒から次々と答えがあがりました。

世界中で起きている様々な課題を、ODAを通じた協力で、開発途上国と共に解決し、国創りをしていくのがJICAの仕事です。その後、JICAがどのような地域で、どういった協力活動をしているか、笹川さんからの説明を通して生徒の皆さんの理解も深まっていきました。

「JICAで働くということ、それはあらゆる社会的課題を解決するプロフェッショナルとして国を創り、世界を変える力になること。」という笹川さんの言葉が非常に印象的でした。

国際協力に興味を持つきっかけとなった経験をお話しする笹川さん

●目の前にいる子どもに何ができるか?

次に、フィリピンでのボランティアや留学、カンボジアでのインターンシップ、ヨルダンでのシリア難民の少女との出会いなど、笹川さんが国際協力に興味を持つ原点となったエピソードを聞きました。そして、フィリピン留学での経験をもとに、生徒同士で話し合い、「自分が同じ経験をしたらどうするか?」を考えました。

「いつもコンビニの前にうずくまっている子どもがいる。
あなただったら、どうする?」

グループで考えたアイデアを発表する生徒たち

グループで話し合った後は自らの意見を発表しようと多くの手が挙がり、正解のない問いに対して主体的に考えている様子が伝わってきました。

「ご飯を買ってくる」「家に連れて帰って育てる」「警察に連れていく」「クラウドファンディングでお金を集めてあげる」など、その意見も生徒によって様々です。

そして、最後に発表した生徒は、「何もしない」と答えました。

実は笹川さんも、半年間の留学中何もできず、葛藤をしていたそうです。なぜならいま目の前にいる子どもにお金やご飯をあげても、持続可能な解決ではないし、同じようにお腹を空かせた子どもがたくさんいる現状を変えられないと思ったから。

こうした世界の現状を目の当たりにして、自分の無力さを感じたと同時に、自分には何ができるのか、を深く考えるようになったという笹川さん。国際協力を仕事にするという選択をした大きな理由だと語りました。

その後、笹川さんはJICAに入構し、現在は地球ひろば展示やイベントの企画などを行う広報と、世界の課題について考え行動する力を養うための開発教育支援に携わっています。

また、モンゴルでのOJT(研修)などを通し、言語も価値観も異なる人々と一緒に国際協力に携わることの楽しさを感じているとお話していました。

●笹川さんの夢、そして皆さんに伝えたいこと

最後に、笹川さんの夢と、生徒の皆さんに伝えたいことを聞きました。

教育学を専攻していた笹川さんの夢は、「教育×平和構築で国際協力に関わり、紛争による負の遺産をなくすこと」。

学生の頃の経験を糧に「JICAで国際協力に携わる」という夢を叶え、さらに次なる夢を持ち努力し続けている笹川さんの姿に心を打たれた生徒も多くいたようでした。

また、生徒の皆さんに向けて、自分の夢を掲げ、叶えていくために大切にしてほしいこともお話していました。

自分の興味・関心にまっすぐに向かうこと、「なんでだろう。知りたいな。」に敏感になること、自分に投資すること、想像力をもってしなやかでいること。

これらを笹川さんが伝えると、生徒の皆さんは真剣にメモを取っていました。

昨年JICA地球ひろばにも訪問した生徒の一人が「自分に何ができるか考え、行動していきたい」と終わりの言葉で述べており、笹川さんの思いは生徒の皆さんにも伝わっていました。

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