2026年度JICA北海道 寺田明日香さんと考える『スポーツでひらく世界』を開催しました!
2026.10.29
スポーツには、国や文化、言葉の違いを越えて人と人をつなぐ力があります。
JICA北海道では、2026年10月15日(木)にほっかいどう地球ひろば企画展示室「スポーツのチカラで世界を元気に」の関連イベントとして、札幌市出身の元陸上女子100mハードル日本代表・寺田明日香さんをお迎えした特別イベントを開催しましました。イベントでは、寺田さんの挑戦の歩みや、JICA海外協力隊としてカンボジアで体育指導に取り組んだ高木大作さんの経験を通じて、「スポーツが社会にもたらす力」について一緒に考えました。イベントには高校生から80代の方々まで、幅広い年齢層の21名が参加しました。
挫折を繰り返しながら世界を舞台に活躍した経験を振り返る寺田さん!
ゲストの寺田さんからは、ご自身の競技人生についてお話しいただきました。寺田さんはJICA札幌がある札幌市白石区のご出身で、小学4年生から陸上競技を始めたそうです。スポーツとの出会いや競技人生についてお聞きしました。
子どもの頃はさまざまなスポーツを経験し、その中で陸上競技と出会ったという寺田さん。「なんでも大人に納得がいくまで質問してしまうので、面倒くさい子どもだったと思います」と、当時を振り返りながら笑顔で話されていました。
高校から本格的に取り組んだ100mハードルではインターハイ3連覇を達成。2009年には世界陸上に出場し、ジュニアランキング世界1位となるなど、若くして世界の舞台で活躍されました。
一方で、競技人生は決して順風満帆ではなく、けがや摂食障害を経験し、2013年には一度競技を引退。その後、大学進学や出産を経て競技への思いを取り戻し、7人制ラグビーへの挑戦を経て再び陸上競技に復帰されました。
そして2021年には日本記録を2度更新し、東京オリンピック女子100mハードルに出場。同種目では日本人として21年ぶりとなる準決勝進出を果たしました。
国内外のさまざまな大会への出場を通じて、多くの国や地域の人々と交流してきた寺田さん。競技で結果を追い求めるだけでなく、スポーツを通じて異なる文化や価値観に触れ、人と人とのつながりの大切さを実感したといいます。
参加者の前でヒジャブの巻き方を実演する寺田さん!
次に、寺田さんから、競技人生を通じて感じたスポーツの力や、海外での経験についてお話しいただきました。
寺田さんは、陸上競技の大会でイランを訪れた際の経験を紹介。言葉や文化、国籍の違いがあっても、一人の選手として向き合うことで、お互いを尊重し合い、理解し合うことができたといいます。
また、世界には紛争や対立を抱える地域もありますが、オリンピックの舞台では誰もが公平なルールのもとで競い合います。その経験を通じて、スポーツには人と人をつなぎ、世界をつなぐ力があると感じたそうです。
「スポーツは自分の人生を豊かにするツールであり、なりたい自分になるための通過点です。」
寺田さんは、スポーツそのものが目的ではなく、自分らしく成長し、人生を豊かにするための大切な手段であると語っていました。
また、国際大会では各国の選手が自分の考えや思いをはっきりと表現している姿を目の当たりにし、日本人ももっと自分自身を表現してよいのではないかと感じたそうです。
イラン滞在中のエピソードも紹介されました。現地では「外出時にはヒジャブを着用してください」と案内され、毎日ヒジャブを身に着けて生活していたとのことです。そのため、日本に帰国後、ヒジャブを着けずに外出しようとした際には、かえって落ち着かない気持ちになったという興味深い体験をお話しいただきました。
さらに会場では、実際にヒジャブの巻き方を披露してくださり、参加者は異なる文化や価値観に触れる貴重な機会となりました。
カンボジアの体育隊員として地道な活動を行った高木さん!
JICA海外協力隊の体育教育の職種で派遣された高木大作さんからは、カンボジアにおいて、もともと「体育のような授業」として「体操」のみが行われていた状況から、「マット運動」や「バスケットボール」、「ボッタカオ(カンボジアの伝統武術)」を授業に取り入れ、体育教育の重要性の理解を促し、その普及を図っていったというお話をいただきました。きました。家畜の世話に忙しい同僚や「体育よりも数学や英語、国語が重要である。」と主張する保護者に対して、体育教育の重要性を粘り強く普及する活動を行ったそうです。
同僚からは「一人で授業をやってほしい」と言われたそうですが、マンパワーで終わらせないように、同僚との対話を積み重ね、相互理解を図って、信頼関係をゆっくりと直実に築いていったそうです。落ち込んでは立ち上がりと協力隊活動のモチベーションも下ったり上ったりという曲線を描く中、最終的には9割の生徒が体育の授業を好きになってくれて、同僚も体育の授業の大切さを理解し、一緒に授業を楽しめるようになっていってくれたそうです。
参加者の質問に回答する寺田さん!
参加者の質問に回答する高木さん!
最後は、参加者から事前に寄せられた質問をもとに、寺田さんと高木さんによるクロストークが行われました。
寺田さんには、「海外遠征時にメンタル面で心がけていたことは何ですか」という質問が寄せられました。これに対し寺田さんは、「いつも通りの状態を保つこと」と回答。慣れない環境でも平常心を保つことを大切にしていたそうです。
また、「陸上競技から7人制ラグビーに転向し、その後再び陸上競技に戻った経験で得たものは何ですか」という質問には、チームスポーツならではの経験を挙げられました。ラグビーを始めた頃、チームメイトから「明日香は足が速いから、そこを強みにして走って。足りないところは私たちが補うから」と声を掛けられたことが印象に残っているそうです。この経験を通じて、チームで目標を達成する喜びを知ることができたと語ってくださいました。また、ラグビーではさまざまな筋肉を使い、多様な動きを身につけたことで、その後の陸上競技にも良い影響があったそうです。
さらに、常に上を目指し続ける原動力について聞かれると、「気になったことを解決したいという好奇心」と回答されました。また、練習前のウォーミングアップとして毎日欠かさず縄跳びを行っていたことも紹介され、会場からは「縄跳びなら自分にもできそう」という声も聞かれました。
一方、高木さんは、カンボジアで体育教育に取り組んだ際の工夫について紹介してくださいました。日本とは異なり、体育の授業で使用する道具が十分にそろっていない環境の中、「ないなら作ればいい」と考え、砲丸投げでは紙の中に土を詰めて代用するなど、身近な材料を活用しながら授業を行ったそうです。
また、さまざまなスポーツに触れる機会を提供することで、生徒たちは勝つ喜びや負ける悔しさ、スポーツの楽しさを学ぶとともに、協調性も身につけていったとのことでした。
参加者の皆さんと一緒に記念撮影する寺田さんと高木さん!
今回のイベントのテーマは、「スポーツは社会を変えることができるのか」でした。
世界の舞台で活躍する寺田さんと高木さんがお互いを尊重し合いながら、繰り広げる熱いクロストークを通じて、スポーツは人を成長させるだけでなく、スポーツを通じて築きあげた信頼関係は、必ず世界を変える力になると実感したイベントでした。
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.
事業事前評価表(地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)).国際協力機構 地球環境部 . 防災第一チーム. 1.案件名.国 名: フィリピン共和国.