【愛媛県宇和島市 実施報告】帰国したグローカルプログラム実習生が宇和島市を訪問しました。
2026.02.16
2026.02.16
愛媛県宇和島市では、2023年7月からJICA海外協力隊派遣前訓練「グローカルプログラム」が実施されています。宇和島市グローカルプログラム第1期生の川口正樹さん(タイ/障害児・障害者支援)、前原信輝さん(東ティモール/観光)の2名が2年間のJICA海外協力隊の活動を終え、日本に帰国後、再び宇和島市を訪問しました。宇和島市で開催された帰国報告会では、協力隊の活動内容を聞こうと宇和島市民、関係者など多くの方が集まりました。
2023年3次隊としてタイに派遣された川口正樹さん。前職では公立中学校の教員として長年勤務し、特別支援教育にも携わっていました。派遣された任地はタイのなかでも自然豊かなチャンタブリー県の特別支援教育センター。着任して最初の数週間、川口さんはゴミ拾いや子どもたちの送り迎えを手伝いながら、子どもたちや保護者に顔と名前を覚えてもらうことから活動を始めました。「まずは自分を知ってもらい、どこの誰なのかを理解してもらうことを意識した」と語ります。
こうした日々の積み重ねによって現場からの信頼が少しずつ深まり、着任から3か月ほど経つ頃には、朝の全体会で日本語の挨拶や手遊び歌、ダンスを紹介し、子どもたちとの交流がさらに広がっていきました。その後は、センター内の図書室に日本文化紹介コーナーを設けたり、「ハロージャパン」という子ども向けのイベントを開催したりと、活動の幅も広がりました。こうした取り組みを通して、タイの子どもたちが日本文化に触れ、楽しめる時間を届けました。
活動を振り返る川口さんは、「微力だけれども無力ではない」という言葉を胸に、目の前の子どもたちのためにできることを一つずつ積み重ねてきたと語ります。
2023年3次隊として東ティモールに派遣された前原信輝さん。前職はホテルマンとして勤務した経験を持ち、そのスキルを活かしてホテル科のある職業訓練校で技術支援を行いました。着任した当初、授業では教科書が十分に揃っておらず、先生が黒板に書いた内容を学生がただ写すだけの授業もありました。そこで前原さんは、実際のホテルで使われているような書類を取り入れた実践的な教材づくりを進めました。場面ごとの英会話や、ゲスト情報を記録する書式などを用意し、学生が将来の仕事をイメージしながら楽しく学べるよう工夫しました。
また、実際ホテルを訪れたことがない学生も多かったことから、ホテルを訪問する「スタディーツアー」を実施し、プロの接客に触れる機会を学生に届けました。試行錯誤を続けながら学生と向き合い、学びの質の向上に力を注ぎました。
お二人は、JICA海外協力隊で培った経験を日本国内の多くの方に知っていただく活動に今後も関わっていきたいと意欲を語っていました。
川口さん、前原さんの報告を聞くために帰国報告会には多くの地域住民の方々が集まり、参加者からは、「おかえりなさい」「教育文化の違いがあっても、必要なものは自分たちで作り出していく姿勢がすばらしい」「宇和島市の子どもたちにも良い影響を与えている」「これからも自信を持って前に進んでください」といった心温まる声が届きました。