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2023年度2次隊
コロンビア/剣道
公文 ひとみさん
~剣道で日本とコロンビアをつなぐ~
1. 自己紹介をお願いします(出身・剣道歴・これまでの経歴)
高知県出身で、剣道歴は47年になります。これまで中学校の教員として勤務し、その後スイスの学校にある寄宿舎で教員を務め、スクールカウンセラーとしても活動してきました。
2. JICA海外協力隊に応募したきっかけは何でしたか?
ずっとJICA海外協力隊に興味はありましたが、当時は現職教員参加制度がなかったため、応募までは考えていませんでした。転機は祖父が92歳で他界したときです。私は46歳で、「人生の半分が終わった」と思いました。その瞬間、「このままでいいのか?いや、やってみたいことがある!」と強く感じ、剣道を通じて海外ボランティアに参加したいと思いました。そこで協力隊の要請内容を調べ、セルビアの派遣を見つけました。一念発起し、英語教員の職を辞して応募しました。
3. 2回目の協力隊に応募。今回はなぜコロンビアで剣道だったのでしょうか?
セルビアでは私は3代目の隊員で、活動内容もある程度決まっていました。現地の方々も協力的で充実した2年間を過ごせました。次に応募する際も剣道で行きたいという気持ちは変わりませんでしたが、できれば初代の隊員として活動したいと思いました。その中にコロンビアの要請があり、挑戦を決めました。
4. 派遣前、コロンビアにおける剣道についてどんなイメージを持っていましたか?
剣道人口も少なく、竹刀や防具もすごく少ないだろうなと思っていました。実際にはコロンビア剣道協会の会員は100名程度と多くはありませんでした。しかし用具については全日本剣道連盟から寄付された中古防具を各道場で保管、貸し出して使っており、個人で竹刀や防具をアメリカ、日本から輸入し、使用している方もおり、道場も6つありました。
5. 現地では主にどんな活動をしていましたか?
メデジンとボゴタの剣道場で指導をメインに、巡回指導や個人指導、オンラインレッスンなど幅広く活動しました。時にはコロンビア人の剣道指導者に指導することもありました。
6. 指導していた相手(年齢層・人数・レベル)はどんな人たちでしたか?
幅広い年齢層が稽古に参加しました。多くの人はテレビや有名な剣のアニメに影響を受けて剣道に興味を持っていました。8歳の女の子がアニメの影響で稽古に参加したこともあります。大人の方は純粋に日本文化としての剣道、武道を学びたい、楽しみたいという理由で参加されていた方が多かったと思います。少なくとも100人以上の方々と稽古をしたと思います。刀や木刀、鍔(つば)を現地の材料で作る方もいて驚きました(笑)。剣道の技量においては5段以下の方がほとんどでした。
7. 剣道を教えるうえで、日本と大きく違う点はありましたか?
礼儀作法や挨拶を勘違いして実行している道場がありました。そのため剣道の所作や意味を一つひとつ説明したり、練習したりしました。また稽古する場所は日本の道場のように床下にバネなどが施された素足に優しいものではなく、コンクリートに薄いラバーを張っただけの硬い床がほとんどでした。
8. 言葉や文化の壁は、指導にどんな影響がありましたか?
現地の方に剣道用語を正しく発音してもらうことが難しかったです。スペイン語には日本語の発音と違うものもあり、例えば「はじめ!」や「あゆみあし」が「あじめ!」「あじゅみあし」と発音されていました。何度も訂正しながら指導しました。剣道は細かい所作の説明が必要なので、発音にも気を配り、事前に資料を準備しました。
※スペイン語ではHを発音しないため、Hajimeが「あじめ」となります。
また、あゆみあし(ayumiashi)の「yu」を「じゅ」と発音します。
ちなみにスペイン語で「はひふへほ」は「ja ji ju je jo」となります。
9. 特に印象に残っている稽古や大会、出来事は?
日本から剣道7段の先生(80歳以上)が自主的にボランティアで訪問されたことです。その先生の迫力ある指導を見て、言葉だけでなく「気迫」も大切だと感じました。
10. 活動の中で一番大変だったことは?
スペイン語がうまく話せなかったことでコミュニケーションがうまくとれず、誤解などが生じて活動にも支障をきたしたことがあったことです。
11. 剣道はコロンビアの人たちにどんな影響を与えたと思いますか?
剣道に興味を持ち、剣道を楽しんでくれる人が増えたと思います。また年齢が高くても剣道を楽しむことができることを理解してくれ、継続して稽古に参加してくれる人が増えたと思います。
12. 技術指導以上に大切にしていたことは?
コミュニケーションです。稽古後の食事会や飲み会で交流し、理解を深めました。
13.「剣道だからこそ伝えられた」と感じた瞬間は?
日本の武道としての礼法や所作の重要性を伝えたことは当然ですが、「相手がいてくれるからこそ稽古ができる」ことなど他者への感謝の気持ちを忘れず、その思いを礼法にこめるよう伝えると納得して、丁寧に礼をしてくれるようになった時です。
14. 帰国して、日本や剣道の見え方は変わりましたか?
日本の治安の良さや四季があることのありがたさ、日本の食べ物の美味しさを再認識しました。また剣道をする環境も恵まれていると感じました。
15. 協力隊に行く前の自分に、今なら何と言いたいですか?
「ちゃんと覚悟していけよ!」
16. 今後、剣道や国際協力とどのように関わっていきたいですか?
私自身はこれからも剣道修行を続け、剣道でさらに自分の人生を豊かにしたいと思っています。また今回の活動で海外の方は日本文化に興味をもち、剣道や居合を日本で学びたいと思っている人が多いことを再認識しました。そのような方たちが高知県香美市に来て剣道、居合だけでなく、高知県や香美市の人々や自然とふれあい、お互いの文化交流ができるようなことを企画、実施できたらいいなぁと考えています。
17. JICA海外協力隊に興味を持っている人へ、メッセージをお願いします
「人生は一度きり!JICA海外協力隊は人生を2倍3倍楽しめる手段のひとつだと思います。自分だけでなく、派遣国の人々と一緒にお互いの人生を豊かに楽しめるよう、ぜひ挑戦してみてください!」
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